2026年度新人合宿

1.日程
2026年6月7日(日)―6月13日(土)

2.対象
北アルプス 涸沢カール・奥穂高岳・北穂高岳

3.メンバー
3年柴山(CL/気象)、金子(SL/食糧)、三田村(装備・医療)、1年上條

4.概要

6/8(月) 18℃(8:30) 雨→曇り→雨

(金子・三田村・上條)
8:15 上高地着
8:35 上高地発
9:30 明神
10:30-11:30 徳澤園
12:20 横尾
13:20 本谷橋
14:40 Sガレ
15:30 涸沢着

平田駅からJR、アルピコ交通と乗り継ぎ新島々に到着。新島々からバスに乗り、8:15に上高地着。少し雨がパラついているので雨具を着て出発する。明神での休憩を挟み、10:30に徳澤園着。挨拶をし、ローストビーフ丼をいただく。1時間ほど滞在し11:30に徳澤園を出発。12:20に横尾着。横尾タイムリミットは12:00に設定してあるが、徳澤園に1時間ほど滞在していたうえ、ここまでコースタイムより早いペースで歩けているのでそのまま進むことにする。横尾以降も順調に歩き、本谷橋・Sガレの2回の休憩で涸沢に15:30到着。上條は例年の新人合宿より重いザックを背負っているにもかかわらず、全く遅れることなくついて来られていてとても頼もしかった。涸沢に到着すると、大雨になり急いで幕営する。上條に炊事やテント内生活を教え、21:00就寝。一晩中雨予報かつ翌日の天気も不安定な予報であったため、明日の訓練については翌朝判断することにした。

6/9(火) 5℃(5:00) 曇り
(金子・三田村・上條)
5:00 起床
6:00 出発
6:15 訓練開始
〜6:45 支点構築
〜9:45 スタカット、懸垂下降
〜10:15 滑落停止
〜11:45 確保三種
〜12:45 アイゼン歩行
〜13:45 つぼ足
14:00 帰幕

(柴山)
9:30上高地発
10:40徳沢
12:30横尾
14:50涸沢着

天気は不安定な予報であったが、4時半ごろに雨は弱まり、起床と同時に雨は止む。一晩中雨が降っていたにも関わらず、新品のV6のおかげでテント内に雨は浸透してきていない。上條を中心に炊事をする。指導しながら進めたこともあり、10分ほど遅れて6時10分に歩き始める。ミスはないので一つ一つの動作を素早くやるように指導する。三田村が就活関連の用事で下山することになり、三田村がいるうちに3人必要な訓練を行いたいので、支点構築→スタカット→滑落停止→確保三種→歩行訓練の順番で進めることにする。まずは支点構築から始める。上條はスノーバーでの支点構築は未経験であったが、飲み込みが早く、何回かやらせて完璧にできているのでスタカットを始める。スタカットは金子と三田村の交互で上條とペアを組み行う。3回指導しながら実践し、4回目で20分を切ることができた。ATCの向きや安環の閉め忘れなどのミスはあるが、自分でも気づけている点は良かった。スタカットを終わらせ、懸垂下降で下る。システムを確認し、6回ほど行なった。滑落停止は30分で6回ほど行い、確実に停止できていた。次に確保三種を教え、実際に試し合う。最後に歩行訓練を行なう。上條は積雪期登山の経験も豊富にあるので危なげない歩行をしていた。ただ、クライムダウンの腰の高さや基本的な蹴り込みの強さには課題があったので修正するように指導する。しばらく行い、アイゼン歩行・つぼ足ともに課題を潰せたので歩行訓練を終わらせる。14時に帰幕し、三田村は下山。同じ頃に柴山が涸沢に到着し、合流。15:45の気象通報で柴山・上條が天気図を書く。16:30から夕飯のカレーを作り始める。調理に時間がかかってしまったのと4人前を3人で食べたので、18:30くらいに食べ終わる。20:00就寝。(以上文責:金子)


6/10(水) 4℃(5:30)晴れ→曇り
(柴山、金子、上條)
4:30 起床 
5:32 出発
6:30 スタカット開始
7:30 3ピッチ目開始
8:45 5ピッチ目開始
10:05 8ピッチ終了
10:20-10:55 5.6のコル
12:00 懸垂下降終了
12:45 訓練再開
14:00 訓練終了
14:45 テント移動
15:45 天気図勉強会
19:45 就寝

雲ひとつない晴れ。朝の準備はスムーズに行えている。出発して1時間弱登り、スタカットを開始する。中間支点は2点、60mロープを50m伸ばすイメージで行う。1、2ピッチは43分、手順は良いが引き上げの際ロープがきれいに仕分けられていないため指摘する。3、4ピッチは40分50秒、ここで休憩をとる。5、6、7、8ピッチは連続して行い、5.6のコルまでロープを伸ばす。疲れが溜まっているだろうが、タイムは1時間16分で、1ピッチ20分以内の基準を満たしており良かった。5.6のコルで休憩を取り、懸垂下降は60m3ピッチ行う。その後落石のリスクが少ないテント周辺で訓練を行う。fix訓練は上條は初めての経験だという。MMO(ムンターミュールオーバーハンドノット)システムも含め説明を行う。その後の搬送訓練は雪訓服を用いて背負い搬送。上條にも背負って欲しかったが、腰を痛めそうなので上級生が実演する。訓練終了後、周囲の雪が溶けて浮島化したテントの位置を移動させる。暑く、テント外につけた気温計は20℃以上を指す。15:45の気象通報で天気図を全員に書かせる。当日の気圧配置は複雑で勉強するには不適であった。夕方になると急激に気温が下がり気温は一桁台となる。毎日、ほぼ同様の気温変動である。19:45就寝。

(左上)2ピッチ目 上條リード
(右上)4ピッチ目 上條リード
(左下)5.6のコル直下 8ピッチ目を終えて
(右下)テント周辺で搬送訓練


6/11(木) 2℃(5:30)晴れ→曇り→小雨 山頂は5℃程度か

(柴山、金子、上條)
4:30 起床
5:40 出発
6:00 訓練開始
6:30 訓練終了
7:05-20 ザイテングラード上で休憩
8:10 白出沢のコル
9:00-40 奥穂高岳
10:05 白出沢のコル
12:00 懸垂終了
12:45 涸沢
19:30就寝

放射冷却の影響か、夜中はかなり寒く感じる。今回は3人だけなのでロープは2本だけ、また奥穂高岳直下の雪壁でロープを出すことを想定しスノーバーを6本持っていくこととする。小豆沢に向かう登りで、キックステップ、クライムアップ等、各種の歩行を上條に命じ、正しく登れているかチェックする。キックステップがガニ股なのは気になるが、口うるさく指摘すると改善した。ある程度登ったところでクライムダウン等の下り歩行をチェックし、問題ないと判断して小豆沢に向かう。小豆沢中部で、奥穂高本峰方面から大きな落石音が聞こえ、ラークと叫び注意を促す。30kg程度の石がこちらに向かって猛スピードで落ちてきたが、全員直ぐに右に移動したことで直撃を免れる。白出沢のコルまで、落石に注意して急ぎ目に登る。上條は酸欠で時々足が止まるが、悪くないペースで進む。コルから山頂までは寡雪により始終夏道が出ており、アイゼンは付けずロープを出す必要もない。9:00に奥穂高岳登頂。40分滞在し、10:05白出沢のコル。コルから懸垂し、60m、4ピッチを2時間かけて行う。初めのピッチ、途中ロープが絡まったことが遅れの原因だ。4ピッチ目以降、ロープを出すことも検討したが、谷が狭くなって落石が集まる可能性があることから、そこからクライムダウンで下ることとする。傾斜が緩むと、前向きで下降するが、落石を警戒し、2人が降りている間、1人は見張ることを徹底する。12:45に帰幕。14:30に三田村が現れた直後、小雨が降る。15:45天気図を書く。ほぼ完璧に書くことができた。夕食のラーメンには三田村が持ってきてくれた二郎のチャーシューをトッピングし、英気を養う。上條の入れたスップは上出来であった。19:30就寝。

(左上)3オークロックの歩行の訓練を行う
(右上)ザイテングラード上にある、唯一の休憩適地。絶えず落石に注意する。
(左下)奥穂高岳山頂 すぐにガスに包まれる。
(右下)小豆沢懸垂下降1ピッチ目


6/12(金) 4℃(5:30) 雨→曇り→あられ→晴れ  山頂は0℃程度か
(柴山、金子、三田村、上條)
4:30 起床
5:40 出発
7:05 南稜取付
8:15-9:00 北穂高岳
10:00 懸垂開始
10:40 懸垂終了
11:20 涸沢
19:30就寝

夜中は強い雨が降り、一時はあられのようだ。4:30に起床し、準備をする。準備中に雨は止む。米の炊爨に時間がかかったこと等により、起床から準備完了までに1時間5分かかる。今日の天気は午後に雷雨の可能性があるとの予報であったため、訓練は割愛しすぐに登る。アイゼンをつけて涸沢小屋横の雪渓を30分ほど登り、左の夏道に入る。夏道は白ペンキが至る所についていて迷うことはない。軽快に登り、南稜に上がる鎖場とハシゴを登ったところで休憩とする。ここからも道は明瞭だが、岩場が多く、昨夜の雪が薄らと積もっていたため慎重に登る。ガスが次第に濃くなる。南稜も軽快に登り、予定よりもかなり早く8:15に北穂高岳登頂。ガスはかかるが、雲は薄い。ここからの槍ヶ岳の展望を一同楽しみにしていたため、山頂で45分粘る。体が冷えないように防寒着を着て、全員に腕立て伏せを命じる。あいにくガスは取れなかったので、9:00に下山開始。下山途中、あられが降ってくる。10:00には南稜取付下の鎖場に到着する。クライムダウンでも下降できるが、練習のために懸垂下降をする。鎖場と、その下の比較的急な雪斜面と、それぞれ懸垂する。鎖場の下降は残置支点を利用し、雪斜面の下降はスノーバーを用いる。雪斜面は柴山が最後にスノーバーを回収し、クライムダウンする。スムーズな下降を意識し、懸垂開始から40分で下降完了する。下部の雪渓は落石の危険が大きいため、2人ずつに分け、一方が下降している間、他方は落石の監視をする。これを繰り返し、11:20涸沢帰幕。ほとんど濡れずに帰って来られた。15時ごろから本降りの雨となる。19:30就寝。

(左上)梯子上、南稜取り付きにて
(右上)北穂高岳山頂は晴れず
(左下)伝統となりつつある腕立て
(右下)鎖場での懸垂下降


6/13(土) 4℃(4:50) 晴れ
(柴山、金子、三田村、上條)
3:30 起床
4:50 出発
6:00 本谷橋
7:05 横尾
8:20-9:20徳澤園
10:48上高地=下山

2時ごろ隣の山岳会らしきグループの話し声が煩く大半の部員の睡眠を害される。反面教師とし、起床後静かに準備するよう伝える。準備は問題なく、1時間20分で完了する。アイゼンをつけて雪渓を下り、すぐに夏道となる。本谷橋で頭を洗い、8時過ぎに徳沢に到着する。徳澤園の会長、社長、料理長に下山を報告し、美味しいアイスとピザをいただく。また、数日前に徳沢に滞在していた中山昇二ob、小早川ob、斉藤忠文ob、上條会長からの餞別をいただく。徳澤園で元気をもらい、予定通り11時前に上高地下山。松本の銭湯で清潔になり、御四方のほか、合宿前に高田obからいただいた餞別でたらふく食べて帰京。

(左)河童橋前で喜びの一枚
(右)合宿の〆は安定の王将

(文責:柴山)