2026年度夏山合宿

1.日程

2026年7月29日(水)―8月11日(火)

2.対象
北アルプス 剱岳八ッ峰六峰・常念山脈

3.メンバー
3年柴山(CL/会計)、金子(SL/装備)、三田村(食糧)、日髙(気象)、1年上條(医療)、5年吉澤(定着のみ) 計6名

4.概要

7/29(水)
悪天の予報のため、入山を1日ずらすことに決定する。バスタ新宿→富山駅

7/30(木)
朝の富山市街は晴れ。立山連峰は雲に隠れる。富山県警山岳警備隊の天気情報を確認すると、予報よりは悪くない。折角ならば、翌日別山岩場を登るため雷鳥沢野営場まで行くこととする。12:50発立山行の地鉄に乗り、15:30室堂着。15:50出発し、16:30雷鳥沢到着。テントを立てていると、雨が降り出す。20:00就寝。

7/31(金)8℃(5:30)ガス、強風→夕立
4:00起床
5:30出発
8:00剱沢野営場着
9:45別山中央稜登攀開始
13:10トップアウト
14:30剱沢野営場発
17:00真砂沢着        
20:30就寝
朝の準備はスムーズにできている。合宿では久しぶりに重荷を持つ日髙が先頭で着実に標高を稼ぎ、2時間半で剱沢野営場に到着する。ガスが薄くなり中央稜が見えたタイミングで取付に向かう。難しいところはないが、トポがないので、アルパインの良い練習になる。中間支点、終了点にカム、ナッツ、ハーケンを多用する。3ピッチ目の簡単なピッチ(通常はコンテ)は上條にリードを任せる。カム、ハイマツなどを支点にして、安定感があった。4ピッチ目は左に迂回路があるが、先行組の柴山金子上條は、煙突クラック(Ⅴ)に挑戦してみる。柴山がリード、核心のクラックは濡れており、恐ろしい。フォローの金子、上條も何とか這い上がりトップアウト。難しいので、後続の2人には迂回路を使うよう指示する。別山北尾根のコルを経由して下降する。剱沢到着後、直ちにパッキングをして出発する。長次郎谷出合で右岸から左岸に移り、17時真砂沢着。テント設営時に夕立に降られる。カレーを食べ、20:30就寝。

2ピッチ終了点から後続(三田村)、リード(上條)を撮影

8/1(土) 13℃(5:30) ガスのち雨
4:00起床
5:30出発
8:10長次郎谷標高2500m付近引き返し
10:30帰幕
19:00就寝
真砂沢にヘリが着陸するということで、テントを撤収したため5:30出発となる。30分で長次郎谷出合に着き、アイゼンを付けて一二峰間ルンゼ近くまで登る。そこから上は雪渓が薄いため、右岸に乗ってしばらく歩き、雪渓で行き詰まった手前で左岸に渡渉する。左岸はガレており歩きにくい。標高2500m付近で小雨が降ってきて、ガスも濃くなってきたことから引き返すことを決める。下山中、渡渉地点にケルンを積み、右岸から雪渓に降りる際に懸垂下降をする。10:30帰幕。13時ごろから本降りの雨が降る。就寝まで、降ったり止んだりの不安定な天気。

左岸は浮石だらけ

渡渉点にケルンを積む

8/2(日) 11℃(3:40) ガス時々雨
2:30起床
3:40出発
4:20長次郎谷引き返し
5:20帰幕
7:20再出発
8:00訓練開始
11:00訓練終了
11:30帰幕
18:00就寝
長次郎谷出合まで進み、アイゼンを着けて長次郎谷を100mほど進むと、昨日通行した雪渓上に穴がポッカリ空いており通行不能と判断する。天気もさほど良くないため、今日は訓練日とする。真砂沢まで引き返し、留守隊は池の平山へ、ヒマラヤ隊は長次郎谷出合へ再び向かう。クレバス引き上げのシステムの確認を済ませ、雪渓上をコンテで歩く。その後、長次郎谷を通行できるか、良く観察すると、右岸のスラブ帯から高巻くことが可能であると分かる。(左岸も容易に高巻くことができるだろうが、雪渓が薄い気がする)帰幕後、雨が降ってくる。知り合いの警備隊の方に、長次郎谷の雪渓の状況を説明する。警備隊の方も初めて知ったようなので、やはり昨日割れたようだ。池の平組も14時ごろ帰ってくる。明日は晴れる予報のため、2時半に起床することに決め、18:00就寝。

長次郎谷崩落地点

コンテ歩き

留守隊 行動報告                文責:三田村
5:45 出発
6:30 ハシゴ谷橋
8:00 仙人峠
8:30 池の平小屋
10:00 池の平山
11:15池の平小屋
11:35 仙人峠
12:45 ハシゴ谷橋
14:00 帰幕
長次郎谷を引き返し帰幕してから20分ほどでサッと準備を済ませ出発する。日高を先頭とし、次に上條、三田村と続く。真砂沢ロッヂから仙人新道方面へ向かうと、だんだんと登山道が沢に近づいてくる。どこまで近づくのか気にしていると、写真のような岩の側面に打ち込まれた鉄筋を歩く箇所を見つける。記録で見たことはあったが、実際に見るとなかなか怖い。落ちるとただでは済まなそうだったので、2人に十分気をつけるよう指示し、慎重に渡ってもらい無事全員渡り終える。ここは大雨が降り増水した場合は通行不能になる可能性が高そうだ。その後しばらく歩くと仙人峠に着く。右に分岐すれば仙人池、左に行けば池の平山方面であり、もともとは両方行こうと思っていたが、生憎天気が微妙で展望が期待できなそうだったため、メインの目標である池の平山にだけ行くことにする。峠から少し歩くと池の平小屋を発見。ここまでそれなりに長かったため一同喜んだ。休憩を少し長めに20分ほど取り、小屋で給水もさせていただいた。名物である五右衛門風呂を見学したりして時間を過ごしたのち、山頂へ向かう。小屋にいた時はずっとガスっていたためあまり展望は期待していなかったが、一瞬だけ青空が顔を見せてくれることがあった。山頂までの道は意外に悪く、足を滑らせればそれなりの距離を滑落しそうな箇所も散見された。雨もパラついており良いコンディションとは言えなかったため、再び2人に気を引き締めるよう促し、1時間と少しすると山頂に到着した。小屋から500m以上標高を稼がなければいけないためなかなかにタフだったが、残念ながら山頂からの展望はなかった。いつかリベンジしたい。下山はスムーズに行き、標高を下げていくとガスもだんだん晴れて気持ちよく晴れてくれた。鉄筋の箇所等を再び通過し、14:00ごろ帰幕。

池の平山への登り

池の平山山頂はガスの中

8/3(月)10℃(3:40)高曇り
2:30起床
3:40出発
7:20魚津高ルート登攀開始
1ピッチ目 (リード:A隊金子・B隊柴山)
2ピッチ目 (リード:A隊三田村・B隊吉澤)
3ピッチ目 (リード:A隊日髙・B隊柴山)
11:30 Aフェースの頭
13:20 Aフェース基部
16:00帰幕
19:00就寝
偵察を済ませているので、長次郎谷は何も問題なく進む。8/1の雪渓から右岸への着陸地点は雪が薄くなっていたため、僅かに上流の地点から着陸する。この地点は登るのが容易で、下山時も懸垂下降をする必要はなくクライムダウンで充分であった。魚津高は長次郎谷から眺めると存在感のある美しいルート。5、6のコルから基部へ容易に戻れることを確認した上で、基部にアイゼン、ピッケルを整頓して残置する。登攀は、金子、三田村、日髙(A隊)と、柴山、上條、吉澤(B隊)の2隊に分け、先にA隊が登る。1ピッチ目の凹角が少し濡れており難しく、時間を要する。2番のカムが有効。2ピッチ目は高度感が凄まじい素晴らしいピッチ。3ピッチ目は特に印象はないが快適なピッチ。懸垂点は五峰側に10mほど歩くと見つかり、まずは20m程度の懸垂下降。そこから10mほど歩いて下り、40m程度の懸垂下降で5.6のコル。最後の柴山が懸垂下降しロープを畳む間に、先行の金子、三田村は基部に戻り、そのままCフェース剣稜会の取付を偵察する。雪渓は既に溶けており、取付の心配はなくなる。柴山がロープを持って基部に戻り、全員揃って直ぐに下山。日髙は右足の親指を痛めておりペースは上がらない。16時に帰幕。日高の足の親指をこれ以上痛めないよう、明日は日髙を休養させることとする。剱沢で水浴びをして食事を済ませ、19時就寝。

ピラミダルなAフェース

核心の1ピッチ目

2ピッチ目

Aフェースの頭

8/4(火)11℃(3:40) 晴れ
2:30起床
3:40出発
6:30Cフェース剣稜会ルート登攀開始
1ピッチ目 (リード:A隊金子・B隊柴山)
2ピッチ目 (リード:A隊三田村・B隊柴山)
3ピッチ目 (リード:A隊金子・B隊柴山)
4ピッチ目 (リード:A隊三田村・B隊柴山)
9:30Cフェースの頭
12:20基部
14:15帰幕
19:00就寝
長次郎谷を快調に登り真砂沢出発から2時間15分でAフェースの基部到着。昨日と同様、ここでピッケル等をデポし、Cフェースに向かう。1ピッチ目はスラブの登り、ガバは豊富でどのようにもルートは取れる。2ピッチ目の終了点はボルトで少し安心。3ピッチ目は特に楽しいフェースの登り、ガバと残置支点は至る所にある。4ピッチ目は馬の背、幸い無風で余裕のある登攀。ガスが湧いたり消えたりで、本峰が見え隠れする。トップアウト時は、素晴らしい展望を楽しんだ。五峰側に50mほど下り、懸垂は30m程度。そこから五峰向かって右側の踏み跡を慎重に辿り、ピナクルの懸垂点から50m懸垂、そこから五峰向かって右側にクライムダウンをするとⅤⅥのコルへ出る。Aフェース基部の荷物を回収し、14:15帰幕。暑いので、剱沢で全身浴してリフレッシュする。

1ピッチ目

馬の背を登る上條

トップアウト!

8/5(水) 13℃(4:30) 晴れ
3:00起床
4:30出発
7:30梯子谷乗越
9:30内蔵助平
11:40黒部川出合
13:40黒部ダム=下山
二股方面へ剱沢沿いを下降中、金子が蜂に刺される。ポイズンリムーバーで毒の除去を試みる。診療所のある剱沢や雷鳥沢に向かうことも一案としてあったが、早く下界に降りて診察にかかった方が良いと判断し、そのまま進む。剱沢にかかる橋を渡り、梯子谷乗越に向かう急登に入る。梯子谷乗越直前で上條も首を蜂に刺され、リムーバーを用いる。この辺りで金子の右手が腫れる。金子の荷物を抜き、ハーネスを付けさせる。内蔵助平への下降は、苔で滑りやすく、浮石も多いため、疲弊する。この辺りで上條が足首を捻挫し、痛そうであったため、柴山の足首サポーターを貸す。内蔵助平で内蔵助谷の沢水を補給し、ヘルメットを着けるように指示し、さらに下山する。日髙は足の爪が痛くてペースが上がらない。標高を下げ、酷い暑さとなる。内蔵助谷沿いの道はかなり悪いが、黒部川出合以降は十分に整備されており歩きやすい。黒部ダム下の橋に着くと、ダム放流の水飛沫で一時の涼を得る。後は整備された標高差150mの登りをこなすと、黒部ダム駅に到着。黒部ダムで写真を撮り、14:35発のバスで扇沢へ。松本駅で御山から食糧、ガスを受け取り、登攀具等を預ける。御山付き添いのもと、金子日髙は帰京。上條は松本に留まる。

梯子谷乗越附近から内蔵助平を望む

黒部ダム下の橋にて

8/6(木) 晴れのち曇り
松本休養日。金子、日髙、上條は病院で診察を受け、縦走継続は困難と判断される。柴山と三田村は夕方松本駅に集合し、生鮮食品の買い出しを済ました後、大糸線で安曇沓掛駅まで。予約したタクシーに乗り、白沢登山口泊。

8/7(金)21℃(6:30) 晴れのち雨
5:30起床
6:30出発
8:45最終水場
11:15大凪山
14:10餓鬼岳小屋
15:00餓鬼岳
18:00就寝
最終水場までは白沢に沿って登っていくが、腐りかけた梯子と橋の連続で気が抜けない。餓鬼岳小屋に水はなく、テント泊者は水を持参するようお願いされていたため、最終水場で今日と明日の分の水、計16リットルを2人で分担して担ぐ。結果的には、行動水2.5リットル×2人×2日分、当日夜と翌日朝炊事で6リットルで水量は丁度良い。冬山レベルに重くなったザックを背負い、藪っぽい急登に喘ぎながら牛歩で進む。滝汗と臭いザックに反応して、ハエ、アブ、スズメバチが私たちにたかり続けストレスが溜まる。(スズメバチはテント場まで着いてきた。)大凪山で道は良くなったが、山頂直下の急登百曲りで疲労は限界を迎え、気合いで登る。餓鬼岳小屋で直前に人数変更となってしまったことを詫び、幕営する。16時に炊事を行い、完成したキムチ鍋は天気が良いので外で食べる。各地で入道雲が発生しており、安曇野には雨柱が確認できる。18時ごろ就寝しようとしていると、大粒の雨が降り出し、雷雨となる。

橋がたくさん

ケンズリを背景に

餓鬼岳山頂

8/8(土) 13℃(4:00)曇り時々晴れ一時雨
2:30起床
4:00出発
8:00東沢乗越
10:15燕岳
11:15燕山荘
13:40大天荘=幕営
17:00大天井岳
19:00就寝
夜は断続的に雨が降る。起床時にも雨が降っていたが、支度中に止む。上下レイン、スパッツ、ヘルメットを着用して出発する。ケンズリまでは時折架けられた木橋が滑りやすく注意する。ケンズリの肩から東沢乗越にかけて、薮や草木の張り出しが腰あたりの高さまであり、足元が見えにくい。岩や木の根も滑りやすく、その上ガッシャーが引っかかりやすい為疲弊する。夜間の雨により、草木の濡れが酷く、服は中まで完全に濡れ、靴も水没する。これは一般ルートとは言えないほど、過酷な道であった。燕岳の登りも藪っぽいが、奥北燕平からは快適な道となる。ガスの燕岳で服と靴下を替える。表銀座縦走路は高速道路で快足を飛ばし13:40に大天荘着。日がさす時間もあり、ザックがある程度乾いて良かった。幕営後、小雨が降ってくる。小康時に大天井岳に到着する。今日の夕食はカレー。2日目以降は生肉でなくベーコンを使用する。今日も就寝時に雷雨となる。稲光りと雨音が激しく、安らかに寝付けない。

ケンズリ周辺。これらの岩峰群は高瀬ダム側から巻く。

具材豊富なカレー、2人で大鍋を使うとは、、

8/9(日) 10℃(4:30)晴れのち曇り
3:00起床
4:30出発
6:20常念小屋
8:00常念岳
11:40蝶ヶ岳
13:35大滝山
15:00炊事
18:00就寝
雨は遅くまで降り続き、テントはびしょ濡れ。日の出時には、覆っていたガスが取れて、幻想的な雲海を眺めることができた。槍穂や富士山の眺めも素晴らしい。歩きやすい縦走路が続き、1ピッチで常念小屋着。常念岳に着く頃にはガスが出てくるが、霞沢岳がガスの切れ間からはるか先に確認できる。常念岳からの下りは人気ルートの割には歩きづらい。三田村が足を滑らせて左手に創傷を負ったので、ガーゼで処置する。悪くないペースで蝶ヶ岳着。時間が早く、天気も持ちそうだったため、大滝山まで進む。大混雑の縦走路から一転、蝶ヶ岳から先は無人地帯となり、大滝山到着時にはテンバには私たちだけしかいなかったが、1時間少しで満杯になる。今日の夕飯はキムチ鍋。3日目でも白菜やニラは腐っておらず美味しく食べる。

(上)東天井岳附近で日の出。

(下)なぜか変な顔になった常念岳。

8/10(月)  9℃(2:30) 晴れ
2:30起床
3:40出発
6:00大滝槍見台
8:30徳本峠小屋着 幕営
9:30徳本峠出発
12:00-13:00霞沢岳
15:50帰幕
19:00就寝
昨夜は雨が降ったのか、テントはすごい濡れだが、雲ひとつない晴れ。出発の支度をこの山行の中で最も早く終わらす。大滝山南峰からは暗闇の中、一面の雲海が広がっていることが確認できる。ここからは樹林帯が続き、少しずつ標高を落とす。歩きやすい道だが、昨夜の雨で泥濘が酷く靴が浸水してくる。大滝槍見台で休憩を挟み、計2ピッチで徳本峠に着き、直ぐにテントを張る。日帰り装備を持ち、霞沢岳に向かう。重荷から解放された喜びからジャンクションピークまでの標高差約300mを25分で駆け上がり、徳本峠から2時間半で山頂へ。k1への登り標高差にして270mは急登でかなりしんどい。k1から山頂までは切れ落ちていて緊張を要する。山頂から眺めることを楽しみにしていた穂高連峰は雲の中だが、快適な気候で気分が良い。帰りはジャンクションピークの登り返しにやられ、登りと同様、2時間半かかってしまう。夕飯はカレー、じゃがいも3個、玉ねぎ、にんじん、ベーコン2個の贅沢な内容だ。ここまで良くぞ担いでくれた三田村。胃袋の限界まで食べて下山の英気を養い、19時就寝。夕暮れ時、穂高連峰が雲から顔を出し、美しい。

大滝山南峰

最後の頂、霞沢岳

贅沢なカレー2人前

穂高が美しい

8/11(火)9℃(4:30)晴れ
3:00起床
4:30出発
6:15岩魚留小屋
8:50二俣
10:15島々
11:08新島々駅=下山
山の日に相応しい清々しい朝。出発から30分ほど下ったところにある力水という水場で水を補給し、そこから島々谷沿いに下山する。徳本峠小屋の女将の、島々谷はかなり荒れているかも、というお言葉に身構えていたが、実際はほとんど歩きやすい道で、気分よく歩く。ただし橋が苔で滑りやすく、落ちたら川まで止まらない箇所も多いため、ヘルメットを着ける。岩魚留小屋は傍に聳える桂の大木が印象的。そこからも歩きやすい道が続くが、岩魚留小屋と二俣の中間ほどにある、崩落地点を高巻く道が急峻で滑りやすく悪い。50mほどの標高差を慎重に上り下りする。二俣からは林道歩き、新島々駅までの8kmを頑張って2ピッチで歩き、遂に下山。

岩魚留小屋 桂の大木

気持ち良い道

林道歩きはしんどい

駅まで歩いてこそ下山!

5.総括
剱の登攀は、コンディションを慎重に判断して、安全に登攀ができてよかった。一方で、刻々と状況が変化する長次郎谷の通行の見極めは難しく、より慎重になるべきである。早出早着のためには、偵察は必須だと感じる。Aフェースは難しく、時間がかかったが、比較的簡単なCフェースは全員無駄のないスピーディーな登攀ができてよかった。定着最終日の下山はアクシデントが続発し、リーダーとして難しい判断に迫られた。その時何が正解だったかは、振り返っても分からないが、計画時点で最悪の事態を想定しておくことが大切だと思う。

縦走は天気に恵まれて計画を遂行することができ、充実した。餓鬼岳までの水の歩荷、全日生鮮食品を用いた食糧計画などにより、体力面は充分に強化できたと思う。体力強化は冬山に向けて非常に重要なため、補填山行もしっかり行う。次の目標はいよいよヒマラヤ。留守組を含め、部員全体が自らの役割を自覚して主体的に活動を行っていくことが求められる。

文責:柴山