10/25 阿弥陀岳南稜

1.対象:八ヶ岳連峰 阿弥陀岳南稜

2.日程:2020年10月25日

3.参加メンバー:小野(4年CL)、中島(5年)、真道(3年)、田代(3年)、小池(2年)、田中(2年)、辻野(1年)

4.概要:

現在は不定期でしか運航していないらしい寝台特急カシオペア。乗ってみたい。

山行一週間前に雪が降ったとの情報を入手していたため、アイゼンとピッケルを持参することを全員で共有してから準備にかかる。各々自宅で山行の準備をし、駅ビバをするために茅野駅へと向かう。途中、電車が鹿と衝突した影響で茅野駅行きの電車が運休してピンチを迎えるが、JR東日本の対応によって特急あずさに追加料金なしで乗車する。得した気持ちである。いつもとは違う滑らかな乗り心地で茅野駅に到着する。偶然、寝台特急カシオペアが停車しており、思わず対岸のホームに走って写真を撮る。深夜にも関わらず、多くの人(鉄オタ)が集まっている。前回ここで駅ビバをした先月からさらに寒くなっているように感じる。「いつもの場所」に向かうと既に小野と中島が就寝していた。二人は新宿からバスを利用したらしい。電車組も少ない睡眠時間を最大限モノにしようと寝袋を広げ就寝する。

10/25
舟山十字路(6:00)~立場岳(7:45)~青ナギ(8:00)~阿弥陀岳山頂(11:10)~行者小屋(12:30)~八ヶ岳山荘(14:45)

翌朝、前日に予約したタクシーに乗り込み舟山十字路へと向かう。大型タクシーであったため一台に全員(7人)で乗車する。感染対策で全員がマスクを着用し、運転席と後部座席との間にはシートがかかっている。タクシーに揺られること40分。船山十字路に到着する。いつも利用している八ヶ岳山荘と異なり、車と人がないことに少々違和感を感じる。簡易的な駐車場に一台車がとまっているだ。タクシーが去ると森の静けさが際立つ。装備を整理し、駐車場を後にする。積雪はなく、快適な林道歩きがしばらく続く。

林道歩きで山行スタート。

途中で林道を外れ、砂防ダムで沢を渡り、立場山に続く尾根にあがる。雲が立ち込めており、天候が少々心配である。尾根にあがったところで、来たる立場山の急登に備え服装を調整する。小池と田中が先頭を歩き、続いて辻野、田代、真道、中島、小野の順で出発する。雪はないが、霜柱が立ち、木々の葉は氷りできらきらしている。途中、我々と同じ阿弥陀岳を目指す2人組を追い抜く。辻野は先頭を歩く2年生2人に遅れながらも踏ん張り、7:45に立場山山頂に立つ。

立場山山頂で休憩をとる。雪こそ積もってないが、すぐそこまで来ているように感じる。

天候は徐々に回復しており、雲の隙間からは青空がのぞいている。小休止を挟み、行動再開。急な登りは立場山までで、ここからは主に平坦な登山道が続く。青ナギに達したところでヘルメットを装着する。

山の雪化粧に笑顔がこぼれる。

そうしていると雲が晴れ、阿弥陀岳の全容をこの日初めて目にする。岩と雪が青空に映えて、寒そうだが、久しぶりの雪にワクワク。遠くに見える阿弥陀岳の稜線の向こう側から雲が湧いており、風が強そうだ。

朝は曇天であったが、日が昇ると快晴となった。

徐々に植生が少なくなり、とうとうハイマツだけになる。想像していたほど風は強くない。ところどころ雪を踏みながら細い稜線を歩く。「ザイル必要」と書かれたプレートでロープを出す。小池が1ピッチ目をリードしfixを張る。待っている間は岩陰で風をしのぎ、太陽光を浴びて体温を下げないように工夫する。続いて田中、真道、辻野、田代、中島、小野の順でアッセンダーを使い登攀する。みな難なく1ピッチ目をクリアする。

1ピッチ目のとりつき。寒いけど、思っていたほどではない。
1ピッチ目の終了点に近づく田中。通過した青ナギが背後に見え、山麓に茅野市が広がっている。

スピーディーに通過するために、全員が1ピッチ目を登りきる前に田中リードで2ピッチ目のfixを張る。同時進行で2ピッチ進めたことで、ロープが必要な場所を素早く通過することができた。ロープを張ったのはここまでで、以降はひたすら歩く。山頂直下は足場が悪く、慎重に進む。そして快晴の空の下、阿弥陀岳山頂に立つ。空気も澄んで、北アルプスに積もった雪までくっきり見える。冬のにおいのする空気を肺いっぱいに吸い込み、下山を開始する。

天候に恵まれ、みな笑顔である。

阿弥陀岳は下りが要注意なので落石に注意しながら慎重に下る。分岐で雪だるまと一言二言かわし、行者小屋方面に左折。

阿弥陀に現れた雪の妖精。

分岐から行者小屋までの登山道にはここまでの行程でもっとも雪が残っており、完全にカチカチになっている部分がある。それでも部員は下山モードに入っており、スピーディーに行者小屋に到着する。ここで最後の休憩をとり、八ヶ岳山荘まで一気に下る。風呂と食事を済ましてからタクシーを呼び、スタート地点の茅野駅で解散。お疲れ様でした!

「新入部員お待ちしてます!!」

文責:田代