8/28 坊主谷沢 沢登り山行

1. 対象:奥多摩 多摩川水系 峰谷川 坊主谷(1級上、Ⅲ)

2. 期間:2020年8月28日 曇りのち雨

3. 参加メンバー:小野(4年C.L.)、田代(3年)、真道(3年)、田中(2年)、辻野(1年)

4. 概要:7:00 奥多摩駅バス停乗車 〜 7:30 峰谷橋バス停下車 〜 8:00 峰谷バス停通過 〜 9:00 入渓点 〜 11:00 五段の滝 ~ 13:00 登山道 ~ 15:00 峰谷バス停 = 下山

坊主谷へのアクセスは峰谷バス停までバスで行くことが理想だが、残念ながらこのバス停にはほとんどバスが来ない。時刻表を確認すると、平日、休日ともに一日3回しか来ないのだ。休日であれば、一番早い時刻のバスに乗車することも可能であったかもしれないが、今日は平日。利用できるバスはない。そのため、峰谷川が奥多摩湖に流れ込む地点にある峰谷橋バス停を利用する。バス停間を30分ほどで歩く。峰谷バス停から入渓点までの林道歩きを含めて、一時間半のアプローチである。

1日3便。沢登りをするときは「バスでアクセス可能詐欺」に注意が必要だ。

入渓点に到着してすぐに皆沢登りの装備に変身する。辻野は初めての沢登りなので、適宜指導をしながら準備をする。全員で遡行図を確認し、高巻きをするポイントなどを共有する。五連瀑を高巻きする必要があることを全員が承知したうえで入渓。水温はそれほど低くなく、前回参加した水根沢の水の方が冷たかったように感じる。滝はどれも難しくなく、そのまま登っても問題なさそうな滝ばかりだが、初めての沢である辻野の確保のためと、「念のため」ロープを何カ所かで出し登攀する。私がリードした数カ所では、周囲の岩が水流で丸くなり支点として利用不可でありかつ、支点として使えそうな立木もなかったため、支点構築に苦戦した。そのようななか、なにかしらの解決策を見出しながら登攀することができ、臨機応変な対応をする練習になった。

入渓点に到着した時には汗びっしょり。早く水と戯れたい。
今日が初めての沢登である辻野もガツガツ登る。

5連瀑が今山行の核心であり見どころである。大きな滝が突然現れたときは思わず声をあげてしまった。滝によりかかるようにして大きな倒木がある。遡行図には下部の3段を左から巻き、のこり2段を登攀する、とある。一段目の下からでは下の2段だけ見える。上部に向かって左側(右岸)を巻く。巻き道の足場は非常に悪く、土を崩しながら登らざるを得ない。足場の狭い岩場をトラバースする必要もあり、少々不安を感じる。この調子で巻き道を通過し、沢に下降する。すると、残っているはずの2段の滝がない。5段すべてを巻いてしまったようだ。こうして我々はあっけなく核心を超えた。

5連瀑の下より。なかなか迫力のある写真が撮れた。この滝を左から巻く。

その後もロープをところどころで出しながら沢を詰めていく。これまでは曇っているだけで降水はなかったが、5連瀑を超えたあたりから小雨が降りだした。標高をあげていくにつれて水量も減少し、不安定な石が増えてくる。途中、現在は使用されていないワサビ田の横を通過する。こんな場所でわさびを栽培してどうやって出荷する気だったのだろうか。現在使用していないのも理解できる。水流がなくなって数十メートル進むと登山道にでる。このころには雨が降っており、ガスもかかっていた。登山道は細いがしっかりと踏み痕がついている。沢による濡れに雨が加わり、すべてがびしょびしょである。すぐに沢装備を解除し、登山靴に履き替える。小休止を挟み、下山を開始する。

登山道は整備されて歩きやすい。ガス+雨で気分はどんより。

登山道は比較整備されており、歩きやすい。標高を下げていくにしたがってガスも晴れ、気温も上がってくる。途中モノレールも整備してある椎茸農場のような場所の横を通過する。稜線上の環境が椎茸の成長に適しているのだろうか。

椎茸の栽培現場を初めて目撃した。稜線上からの出荷は大変だろう。

そのようなことを考えているうちに舗装路に到達する。この時点でもうかなり暑い。沢登りの涼しさはどこに行ってしまったのか。しばらく歩くと今朝通った分岐に帰ってくる。ゴールまであと少しである。峰谷バス停にデポした装備を回収し、バスの時間を確認する。やはりバスがない。ここで待ったら4時間待ちである。今朝下車した峰谷橋バス停まで歩くことにした。30分後、峰谷橋バス停に到着。奥多摩湖の奥地なのにも関わらず、バス停周辺を女子大生のグループや大学生カップルが観光している。何を見に来たのか。30分ほどバスを待ち、奥多摩駅へと向かい、解散した。

文責:田代