2019年度冬山合宿

目的:白馬岳登頂

1.対象:白馬岳

2.期間:2019年12月22日~12月30日

3.参加メンバー:浅川(4年CL)、小野(3年SL)、中島(4年)、江口(2年)、真道(2年)、田代(2年)、小池(1年)、田中(1年)

4.概要:

① 12月22日 19:00部室集合~22:00部室集合~24:20夜行バス発  雨

 部室に集合の後、装備の最終確認とパッキング、ヒュッテ用の食料品の買い出しを済ませ、東京メトロ東西線で大手町へ向かう。駅構内を歩き、東京駅八重洲南口に出ると雨が降っている。バス発着場である鍛冶橋へと向かうと、全国各地へ向かうバスを待つ乗客でごった返していた。ここで田代と合流し、限られた屋根のある場所に30分肩を縮めて待機、バスに乗り込む。雪のないスキー場にわざわざ足を運ぶ人がそう多くいるわけもなく、ガラガラのバス内で就寝。

② 12月23日 7:00スキー場着~8:30スキー訓練開始~11:00昼休憩~14:30スキー訓練終了~15:30ヒュッテ着~17:00幕営   晴れ

 バスを降りると、幸い雨は降っておらず、薄雲に覆われた白馬岳のシルエットを望むことができた。ゴンドラに乗り込みスキー場上部へ向かうと、滑走可能エリアは全体の1/10にも満たず、10分もあれば上から下まで滑走できてしまうような状況だった。しかし単調な反復練習が功を奏したのか、昼休憩を挟んで5時間ほどの練習で緩傾斜であれば問題なく滑ることができるようになっていた。14:30頃スキー練習を切り上げ、スキーシールを張り付けヒュッテに登り始める。昨年度は全装を担いでゲレンデを直登したところ予想外に時間がかかったため、今回はおとなしく林道を伝って向かうこととした。ヒュッテに到着し喜ぶのも束の間、持参した鍵が鍵穴に刺さらない。鍵穴に合う鍵は後発隊に持参してもらうことにし、先発隊6人は3~4人用テントに何とか体を押し込む。予備日用食糧パックを使い夕食を取り、就寝。

③ 12月24日 8:30起床~9:30後発隊着~11:30スキー訓練開始~14:30スキー訓練終了~15:30ビーコン捜索訓練~16:00ヒュッテ  雪

 後発隊がヒュッテに到着し、鍵が開くことを確認したうえで練習に向かうこととし後発隊を待つ。後発隊の到着後、無事開錠を確認、小屋開け作業を行いゲレンデへと向かう。ゲレンデのレストランで朝食と昼食を兼ねて摂り、前日同様1年生に上級生を2人つけて練習に移る。1年生はスキー経験にブランクがあったが、前日の練習で勘を取り戻したのか、ゲレンデでの技術は及第点であると見えた。14:30にゲレンデ練習を切り上げ、ヒュッテに戻る。ヒュッテに入る前に神の田圃でビーコン捜索訓練を行う。机上でシステムを確認したつもりであったがあまり身に付いていないようで捜索中に次の動作に迷う場面が多々見られた。30分ほどで日が暮れ始めたため訓練を切り上げヒュッテに入り行動を終了とした。

ヒュッテ内の様子
鍵が開いて一安心

④ 12月25日 4:30起床~6:30ビーコン捜索訓練~7:00ヒュッテ発~9:30天狗原~11:30雪上訓練~14:00ヒュッテ (訓練内容:雪上歩行、滑落停止2hr ビーコン捜索訓練 30min)  晴れ

 前日不十分であったビーコン捜索訓練を天狗原へ向かう前に行う。訓練前にヒュッテ内で動作を再確認したため、前日に比べシステムはおおむね理解したようであったが、各人の連携や掘り出し動作に不備が見られた。さらに訓練を重ね、練度を上げる必要があると言える。日が昇り明るくなったところで天狗原に出発。成城小屋まで登ったところで天狗原を仰ぎ見ると積雪が少なく、斜面に生えた立木の大部分が雪上に顔を出している。シール歩行には問題はないようで順調に進み2時間程で天狗原に到着。シールを剥がして滑り始めるがコースにブッシュが出ており木々の間を慎重に滑る。ゲレンデとはやはり勝手が違うようで下級生は難儀しているようであった。その後1年生のワカン着脱訓練、キックステップ、滑落停止初期停止訓練を行う。夏山、新雪期合宿でとことん訓練を行った結果か訓練技術に大きな不備は見られなかった。最後に朝方不備のあったビーコン捜索を再確認し行動を終了した。

天狗原からの白馬乗鞍岳
やはり雪が少ない

⑤ 12月26日 5:00起床~6:30ヒュッテ発~9:30天狗原~11:00幕営完了  晴れのち雪

 全装を担いで天狗原に出発。所々で急斜面にシール履きのスキーで突入し、登行に苦労する場面は見られたが、何とか3時間ほどで天狗原に到着。午後から翌日にかけての荒天予報を鑑み、風の影響が少ないと考えられる天狗原の一段下の平地に幕営を行った。

⑥ 12月27日 4:30起床~終日停滞   雪

天狗原の下に幕営したおかげか風の影響はほぼ無いが、雪によりテントは着実の埋没し2~3時間に一回掘り起こす必要に駆られた。行動ができる天候でもないためテントラッセルに終始した一日であった。

⑦ 12月28日 7:00起床~終日停滞   晴れ

 天候は快晴であるが、前日の雪により白馬乗鞍岳の斜面が雪崩れる可能性が高いと判断し雪の安定を待つため停滞を決定した。翌日のアタックに向け各自休息をとる。

⑧ 12月29日 3:00起床~4:30 TS出発~6:30白馬乗鞍岳~8:30船越の頭~10:00三国境~11:00白馬岳~13:00白馬乗鞍岳~14:00 TS着~17:30 ヒュッテ着   晴れ

 起床後テントから出ると天気は快晴無風、絶好のアタック日和であった。スキーを履いて白馬岳に向かい出発すると、天狗原上に2張のテントが幕営されていた。後から聞くと東海大の山岳部だったようだ。白馬乗鞍岳への登りは雪崩の可能性もあるため、木の出た北東斜面を狙い登る。急斜面のシール登行に苦しむが1時間半ほどかけ何とか登りきる。山頂台地にも雪は少なくこれ以上スキーで進むのは難しいと判断し、スキーをデポしワカンに履き替え歩を進める。

朝焼けの白馬乗鞍岳

船越の頭までワカンで順調に進み、休憩のついでにここでアイゼンに履き替える。ここまでほぼ無風での行動であったが顕著な稜線に出たあたりで西風が吹き付け始める。それでも白馬岳としては異例の環境の良さであり、小蓮華岳を越え三国境まで一気に進む。二重山稜の谷間で山頂前の最後の休憩をし、山頂へ向かう。山頂の手前でロープを出す予定であったが、雪が少なくその必要はなかった。気象条件もよく拍子抜けした気分で山頂に立つ。

山頂まであと僅か
快晴の山頂にて
絶景かな、絶景かな。

空には雲一つなく眼下には日本海が、目線の高さには剱岳から穂高連峰に至る北アルプスの全貌を眺めることができた。山頂で写真撮影などをしたのち下山を開始する。難しくはないが足を滑らせると谷底に滑り落ちていくような斜面が続くため1年生の下に上級生が付き慎重に進む。小蓮華岳でエネルギー補給を挟み、白馬乗鞍岳のデポ地までスムーズに下る。デポ地に到着すると時間短縮のため、スキーの苦手な部員はワカンで、自信のある部員はスキーを履いて、スキーヤーで賑わう白馬乗鞍岳の斜面を下る。テントサイトに到着するとまだ時間に余裕があるため、ヒュッテまで戻ることを決定、素早くテント撤収を終え、下山を開始する。全装を担いでのスキーとなると空荷のゲレンデやアタック装備の天狗原往復とはわけが違うため、さらに時間がかかる。何とか日の暮れ切る前に尾根上のルートが明確な箇所まで下り、これ以降はヘッドライトを点灯、ワカンに履き替え確実に下る。30分弱で成城小屋まで下りきり、再度スキーに履き替え林道を滑ってヒュッテに到着。

ヒュッテで夕食
アタック成功の余韻に浸りつつ、残る食糧を喰い尽くす

⑨ 12月30日 7:00起床~9:00ヒュッテ発~10:30ゴンドラ山麓駅~12:00白馬駅   雪

 起床後、朝食を取り小屋閉め作業を開始する。朝食時に突然沢からの水の供給が途絶えてしまったため、備え付けの水を使用し洗い物や掃除を行った。小屋閉め作業を終了、スキーを履き、全装を担いで下山を開始する。結局ゲレンデは下までつながることは無く、ゴンドラに乗って山麓駅まで下ることになった。先行した中島と小池が呼んだタクシーに乗り込み白馬駅へ向かい、駅周辺の温泉で汗を流した後、解散し合宿を終了した。

大パノラマにご満悦