2018年度新人合宿

1.時期:2018年6月5日(火)~6月11日(水)

2.対象:横尾定着、涸沢、涸沢岳

3.メンバー:中島(CL)、浅川(3年)、江口(1)、若菜(1)、真道(1) 田代(1)、福田(1)

4.行動概要

〇6月5日:16:30部室集合~21:00部室出発~22:15分バスタ出発(中島、若菜)、22:40東京駅八重洲口出発(浅川、江口、真道、田代)

部室に集合し、新人の個装をチェックし団装を振り分ける。新人にパッキングを教えるが、皆初めてにしては上手だった。パッキング後、早稲田で夕ご飯を食べる。平日であったためさすがに空席があるだろうと油断しており、1週間前にバスを予約したところ、なぜかこの日だけ残席数がわずかであったため、二手に分かれざるを得なかった。しかし雨天による大量キャンセルのためか、実際バスに乗ってみると乗客は10人もいなかった。快適な環境で体を休めながら上高地へ向かった。

〇6月6日:5:20上高地到着~6:20出発~7:05明神~8:00徳澤園~9:30横尾~10:45設営完了、出発~13:10、2550m地点撤退~15:30帰幕~20:00就寝

天気:雨のち曇り、5℃

東京駅組の方が若干早く到着していた。小雨が降っていた。各自朝ごはんを食べ、外付けをするが、新人は外付け初めてであり全員に教え、確認するのに時間がかかった。上級生の数が足りず、現地では一人ひとりに割ける時間が限られるため、前もってこういったことも教えるべきだった。結果、出発が予定より20分も遅れる。雨具を着て出発。横尾まで良いペースで歩いた。途中徳澤園で計画書を提出すると、ご厚意でコーヒーとお菓子等をくださり、体が温まった。横尾でテントを設営し、アタック装備で横尾山荘付近から蝶ヶ岳へ向かう尾根に取りつく。このころには雨がやみ始めていた。雲の切れ間に槍ヶ岳を見ることができ、皆士気が上がる。しかし、中盤あたりからバスであまり寝られなかったとういう若菜のペースが落ち始める。13:30までに横尾分岐に着きそうになければ撤退することに決めた。2500m辺りから雪がちらほら出始める。2550m辺りでタイムリミットが迫っていることや、若菜の調子が良くないこと、雪が本格的につき始めたため、下りのことを考えて撤退することにした。新人にピッケルを出させ、初期停止だけ教えて雪のないところまでくだらせる。全体を通して大体コースタイム通りに登り下りしていた。帰幕後の流れを一通り教え、就寝。

〇6月7日:4:00起床~5:35出発~7:00本谷橋~10:00涸沢着~雪訓(キックステップ1h、滑落停止45m、アイゼン歩行1h)~13:30涸沢発~15:20横尾帰幕~20:00就寝

天気:晴れのち曇り、7℃

炊事、パッキングに時間がかかり、35分出発が遅れる。本谷橋手前から雪が出始めるが、去年雪訓した沢に雪がなかったため、本谷橋をそのままわたる。逆に、本谷橋の先のトラバース道には雪がところどころ付いていたため、一年生を慎重に渡らせる。例年通り涸沢小屋直下150m辺りで登り下りのキックステップを練習し、の登りを競争する。真道、江口、田代、若菜の順番であった。ノルマの20分を切ったのは真道、江口、田代。小休止の後、小屋付近、前補側の斜面でスクエアを作り、キックステップ、滑落停止、アイゼン歩行の練習をした。やはり上級生二人で新人四人を丁寧に見るのは効率が悪いようだ。分かっていたが、横尾から涸沢まで訓練のためだけに登り下りするのは疲れる。新人の歩行訓練にはなるだろう。

6月8日: [本隊]4:00起床~5:05出発~8:00涸沢~雪訓(アイゼン歩行1h、支点構築・懸垂下降2h、スタカット・FIX通過1・5h)(12:00頃、福田、山賀OB到着)~14:30涸沢発~16:30横尾帰幕

      [後発隊](沢渡駐車場にて前泊)5:00起床~(朝食後タクシーで上高地へ)~6:10上高地発~8:00徳澤園~9:30横尾~12:00本隊と合流

天気:晴れのち曇り時々雨、7℃

5分遅れたが、前日より出発時間が早い。新人は炊事を手早くできていた。本日も涸沢へ登り雪訓。本日も涸沢小屋まで競争をした。順番は真道、江口、田代、若菜の順。前日より全員タイムを縮めていた。前日と同じ場所で行った。前日中途半端に終わったアイゼン歩行から練習。支点構築は上級生がお手本を見せ、新人に数個作らせる。そのまま支点を使い、懸垂下降の練習。下界での練習の成果か、形は出来ていた。その後休憩をしている辺りで、福田、山賀OBが涸沢に到着。福田には疲労が見られ、右股関節の痛みを若干訴えていた。その後、本隊はスタカットの練習。福田は山賀OBにキックステップ、滑落停止を一通り教わる。涸沢を撤収し、しばらくすると雨が降り始めたので本谷橋付近で雨具を着用。横尾につくころには雨は止んでいた。福田に葛根湯を飲ませる。

○6月9日:5:00起床~6:30分訓練開始~9:00出発~11:30涸沢着~雪訓(確保三種)~13:30~15:15帰幕~19:00就寝

天気:晴れのち曇り、12℃

三名のOB(小川、橋本、奥田)が横尾に到着されるまで、アイゼン着脱やロープワークの練習をした。福田の足の調子は回復しない。7時45分頃、予想より早くOBが横尾に到着された。テントを撤収し、涸沢へ向かう。全装を背負っているのでスピードがなかなか上がらない。出発して20分ほどで福田が右股関節の痛みを訴える。空荷でも涸沢まで上がれないと判断し、山賀OBに付き添っていただき下山させることにした。本日も涸沢小屋まで競争。全装なのでノルマを例年と同じ25分とした。OBに一人ひとりついてもらい、発破をかけていただく。順番は江口、真道、田代、若菜の順。タイムを切ったのは江口と真道。タイムをオーバーしている新人もいたが、全員例年の新人よりも体力的に優れているという印象だった。涸沢小屋に設営。涸沢に到着した時点で翌日の天候が午後から雨との予報であった。事前に決めた優先順位の高い訓練(キックステップ、アイゼン歩行、FIX通過、懸垂下降)は十分であると判断し、早朝雪面が蹴りこめない程固くなければ翌日は涸沢岳アタックにすると決めた。帰幕の時間を設定し、それまでの時間で確保三種の練習を行った。スタンディングアックスビレイは下斜面に対して正面に向かい、ピッケルを両足で踏んで行う方法が止めやすいことが分かった。練習後、帰幕し翌日の行動を確認し就寝。

○6月10日:3:00起床~4:15出発~6:40白出のコル~7:15涸沢岳登頂~7:35白出のコル~9:30江口滑落~11:15全員帰幕~12:10涸沢出発~15:10徳澤園幕営~21:00就寝

[若菜、小川OB]:6:00頃本隊と別れる~7:00頃撤退~10:00帰幕

天気:晴れのち曇り、4℃

炊事に手間取り、15分出発が遅れる。テントを出ると霧雨の予報であったが、晴れていた。タイムリミットは7:00までに白出のコルに設定。予想もしなかったアタック日和だった。

上級生、OBの間に1年生が入り、一列になって白出のコルを目指す。

出発してしばらくすると若菜が遅れ始める。6時前には若菜のスピードがかなり落ちたため、ここで小川OBに付き添っていだだき、それ以外のメンバーは先に行くことにした。若菜、小川OBは7:00までに白出のコルにつかないようであれば下ってもらうことにした。FIXを張るつもりだったが、コル直下向かって右側に比較的緩い斜面があったため、ロープを出さずにそちらを通過した。コルでアイゼンを外し、15分ほどで涸沢岳に登頂。昨年度の夏山縦走で通過した槍ヶ岳、双六岳、薬師岳などがきれいに見えるほどの天気だった。

1年生にとっては初めての山頂。写真から初々しさが伝わってくる。

写真を撮り、すぐに下山開始。コルから2p懸垂を張る。その後は浅川・田代、奥田OB・江口、橋本OB・真道のペアで上級生・OBが新人の下に入る形で下る。クライムダウンで下る必要があるほど急な斜面であり、ペア同士の差が開いた。もうあと2pは懸垂した方がよかっただろう。中島が最後の2pの懸垂を回収している時、奥田OB・江口ペアが比較的緩斜面に到達し、奥田OBが江口に前を向いて下らせたところ直後江口が足を滑らせ100mほど滑落。ペアの奥田OBはなんとか止めようとしたが止められず、真下を下っていた浅川・田代ペアの方向へ滑落していった。江口は雪面に何回もピッケルを打ち込むが、雪が緩んでおり止まらない。気づいた浅川が江口を受け止め何とか停止。幸いにも二人に怪我はなかったが、浅川のズボン・毛下着に穴が開き、江口のズボン・スパッツが破れた。検討は後述。懸垂の回収後、中島は江口ペアに合流し、しばらく江口の下に入る形で下る。しばらくしてテン場までかなりの時間がかかると予想し、先に帰幕しているであろう若菜、小川OBにテントの撤収を先にしてもらうように指示を出すため、中島は先にテン場まで下りた。この対応の検討も後述。田代ペアと真道ペアは同時にテン場に到着。この時江口ペアはまだザイテングラードの中間付近にいた。江口ペアのところに浅川に応援に行ってもらった。11:15に全員がテン場に到着した。少し休憩した後、テントをたたみ、涸沢を撤収。徳澤園でOBと別れる。ありがとうございました。現役はバスの都合と、炊事・撤収の訓練をするため徳澤園で設営することにした。炊事の訓練をする予定だったが、徳澤園上条さんのご厚意でお風呂に入れていただき、大量の豪華な夕食をいただいてしまった。ありがとうございました。丁寧にお礼を申し上げ、就寝。

大変豪華な食事をいただいてしまった。ありがとうございました。

○6月11日:6:00起床~7:10出発~8:00明神~9:00上高地=解散

天気:曇り、10℃

今合宿初めて出発時間に間に合う。よいペースで上高地まで歩いた。上高地で解散、各自帰京。