瑞牆山 調和の幻想 5.10a 5p

9/27 前日の雨も止み、久しぶりに比較的良いコンディションの中、ずっと登りたかった調和の幻想にトライした。メンバーは4年鈴木雄大と3年福田倫史。

1p 5.9+ 30m
キャンプ場から30分で取り付きに到着し、10時40分スタート。出だしのワイドから快適なハンドクラック。ワイドにはまだ慣れが必要だが、小核心を超える毎にレストできるポイントがあり、何とかオンサイト。フォローした福田も核心部で耐え、落ちずに登った。

2p 5.8 20m
福田がリードでスタート。出だしのハンド大クラックが濡れていて難し目。福田が何回かトライするが突破できず、リードを交代した。上部スラブも濡れていたため、少し怖さを感じたが、何とか落ちずに登り切る。福田が取り付き付近に横山「ジャンボ」勝丘さんと増本さんを発見するが、遠かったため声をかけられず。

3p 5.9 20m
カンテ状フェースを登る。福田リード。ところどころクラックがあるので、そこから支点は取れる。右にトラバースした後のフィンガークラックが少し難しい。エイドに使っていたナッツが外れて派手に落ちた
が、古めのリングボルトがしっかりとキャッチしてくれた。

4p 5.10a 30m
鈴木リード。木登りからスタートするのだが、人気ルートな為かこの木が壁と反対側に曲がってきていて難しくなっている。本格的な木登りの末、慎重に岩へと移った。その後も1ピン目までのトラバースはなかなか距離があり緊張する。そして右のクラックにカム#2を刺し、次のクラックまで3mほどのランナウトをしながらスラブを登る。核心手前でカム#3を2つバチ効きさせて思い切ったムーブでガバを掴み、何とかオンサイト。フォローの福田もノーフォールで登った。

5p 5.9 45m
キャメロットの#6サイズが15mほど永遠に続く、精神面での核心ピッチ。ワイドでズリズリと体もキャメ6もずらしながら登って行く。カムをズラす間は落ちればビレイヤーの下まで…というようなランナウト状態になるので、絶対に落ちられない。出発前にこのサイズのカムを買っていて本当に良かった。

このワイドのセクションの半分上あたりで、左隣のルート、完結された青春から半無理やりだが、ボルトを借りられるので、120スリングでプロテクションをとる。これで大分気持ちはラクに。ワイドを登り切ると簡単なハンドクラックに変わり、その後短いオフウィズズを登る。このオフウィズズが少し厄介だが、ここまでノーフォールできているので、絶対に落ちられないという気で頑張り、オンサイト。福田も軽々とフォローし、無事に調和の幻想を登り終えた。4時丁度だった。

[充実したクライミング後、早々とガスの中へと消え去る福田倫史]

クライミング終了後、トポに書いてある「ナチュラルプロテクションに加え、強烈なランナウトや複雑なルートファインディングなど、決してビギナー向けのルートではない。」という文の意味がよく分かった。予定していたよりも時間は掛かってしまったものの、2人で良い経験を積む事ができた。このレベルのルートなら1日2本以上登る実力、体力を身に付けたい。