2025 年度残雪期合宿

1.対象
僧ヶ岳〜駒ヶ岳〜毛勝山〜釜谷山〜猫又山〜馬場島(北方稜線縦走)

2.日時
2025 年 5 月 2(金)〜5 月 4(日)

3.メンバー
4 年 吉澤明宏(CL)、3 年 大元(SL)、2 年 金子(気象)、柴山(装備)、日高(医療)、御山
(食料)

4.概要

5/1
16:00 部室集合〜19:20 部室を出発〜20:12 新幹線出発〜22:30 黒部宇奈月温泉駅で就寝
19 時 30 分頃早稲田発の電車に乗るため、16 時に部室に集合した。各自団装や個装をザ
ックにパッキングし、ペミカンもパッキングした。17 時頃、高田 OB が部室まで見送りに
来てくださり、激励をしてくださった。19 時 20 分頃には既に夕食を済ませやることも特
にないのでやや早めに東京駅へ。新幹線に乗り込みこの日は黒部宇奈月温泉駅でステビ
バ。
5/2
曇りのち雨 朝気温 14℃→昼 6℃
6:00 起床〜新黒部駅 6:21 発〜7:00 地鉄宇奈月駅着〜準備からの 7:32 タクシー出発〜
7:55 下車〜8:40 僧ヶ岳登山口発〜9:15 日高下山開始〜2 隊に分かれる
吉澤隊 9:15 下山開始〜9:55 タクシー乗り場〜吉澤、柴山 10:00 タクシー乗り場発〜10:
25 僧ヶ岳登山口 670m〜10:50 標高 840m〜11:45 標高 1043m〜12:36 大元隊と合流
大元隊(吉澤隊と連絡をとりつつゆっくりめに歩いてもらう)9:17 出発〜9:32 標高 772m
〜10:23 標高 840m〜10:49 標高 900m〜11:05 標高 1043m〜11:12 トラバース地点に fix を
張る〜11:55 トラバース地点通過〜吉澤隊の到着まで待機
12:36 両隊合流〜12:45 合流地点出発〜13:25 標高 1203m〜15:11 標高 1370m〜16:20 標高
1450m 地点幕営開始〜17:05 水作り開始〜19:05 夕飯〜20:23 就寝

この日の目標地点は僧ヶ岳と前僧ヶ岳の間にある平地だ。
6:00 に起床し 6:21 発の電車に乗り地鉄の宇奈月駅へ。7:00 に到着したが、予約の時点
でタクシーは 7:30 にならないと来られないと言われていたため、ここでヤッケを着たり、
登山靴を履いたりして準備する。7:35 頃にタクシーに乗り込み宇奈月登山口へ。登山口へ
の道は序盤からちらほら雪が残っておりなんとなく怪しかったが、まだ登山口まで半分ほ
どの距離が残っているところでタクシーは進むことができなくなった。今年の残雪の多さ
と枝が道路に垂れ下がり、道路を塞いでいたためである。ここで下車しザックに外付けを
付ける。8:00 登山口へ向けて歩き出す。案外スピーディに道路を歩き、8:35 に登山口に到
着。ヘルメットをつけ軽く水を飲んでからスタート。歩き出してから 10 分後頃に日高の
歩みが遅くなり背中の痛みを訴える。とりあえずザックを下ろして座らせる。少しでも軽
くなるように日高のザックの中身を抜き、それを吉澤のザックにぶち込んでいる間に痛み
止めを飲ませる。10 分ほど休んでみるがその程度では痛みも引かず、ザックを背負っての
歩行は困難ということで日高の下山を決める。日高の持っていた団装を他の 5 人に振り分
け、ここで分隊することにする。各隊のメンバーは「吉澤柴山日高」と「大元金子御山」
とした。ロープは大元金子と吉澤が持っており何かあった時は各隊積極的にロープを使う
よう話し合う。また幸い電波はあったため、10〜15 分おきに各隊連絡をすることに決め、
先行する大元隊は 30 分以上吉澤隊から連絡がなければそこで停滞することとした。

9:15 日高下山開始。
吉澤隊
電話でタクシーを呼び出す。日高のザックを背負い下車したところまで歩く。歩く間も
どうやら背中の痛みに変化はないらしい。下り道なので行きより少し早く乗り場へ。5 分
ほど休んでいる間にタクシーも到着し、日高を見送ってから吉澤柴山は登山口へ登り返
す。10:25 に登山口に到着し、スタートする。10 分おきくらいに金子から連絡が届き、進
度をお互いに報告しあうことができた。1043m で大元隊に追いつくまでは、900m 付近で
アイゼンを出したくらいで特に何事もなく進む。先に到着していた大元隊はやや悪いトラ
バースに fix ロープを 2 本張ってくれていた。まず柴山に先に渡ってもらう。向こう岸で
暇そうにしていた大元にもう一度 fix の半分地点まで来てもらい、吉澤のビレイをしても
らってロープを回収する。
大元隊
吉澤隊と別れた後連絡を取れる限りは上を目指して歩き出す。とはいえ後隊とあまり離
れるのも良くないと考えて気持ち遅めに歩く。1043m の広場付近で落ちたらなかなか不味
そうなトラバースにさしかかる。どうやら雪がなければ普通に道路だが、雪が大量に残っ
ているため難しくなっているようだ。ここで fix を張ることにする。トラバースの長さ的
に一本では足りなかったため、中間の太木で終了点とし、後ろから金子にロープを持って
きてもらい、さらにもう一本ロープを張る。だいぶ余裕を持ってロープを張ることができ
たので去年より成長を感じることができた。ここで吉澤隊が 20 分ほど待てば追いつける
位置にいるとわかったこと、ロープが残っていないことを加味し、ここで停滞とした。
合流後
トラバースを終えた後、すぐに第三登山口に合流。夏道が出ているところはそこを歩
き、雪で埋まっている場合は雪上を歩いて進んでいく。13:00 頃から予報通り雨が降り始
める。1370m 地点で急斜面に差し掛かり、ロープを出す。吉澤がリードし太い木で終了点
を作成。fix にする。全員が通過した時には 15:45 を回っていたため、行動は 16:30 まで
とし幕営地を探す。16:20 頃に風が防げそうで平らな場所を発見したためそこに幕営を決
定する。1450m 地点で目標よりかなり手前での幕営となってしまった。水作りをしながら
翌日の天気を確認する。どうやら翌日の 3 日は天気が良さそうで風もそこまで強くない予
報だったため、頑張って滝倉山を超えた当初の予定地を目指そうと決める。この時御山が
風邪をひいていると申告。確かに咳と鼻水があった。
日高がいなかったことでペミカンの量が中々あったが全て食べ終え就寝した。

5/3 晴れのち曇り 朝気温 2℃→昼 11℃
3:30 起床〜4:50 出発〜5:20 標高 1520m〜6:32 仏ヶ原通過〜6:40 話合い(撤退決定。軽
装で駒ヶ岳を目指そうとするが、下山を考えて諦める)〜7:30 僧ヶ岳〜8:00 下山開始〜
8:35 標高 1775m〜10:30 標高 1450m〜11:30 懸垂下降終了〜13:10 標高 1130m 懸垂下降開
始〜14:24 標高 1043m 地点のトラバースに fix 張り終える〜15:06 通過とロープ回収を終
える〜15:30 柴山金子幕営〜16:24 吉澤御山大元登山口へ下山〜16:57 タクシー乗り場〜
17:05 吉澤大元引き返す〜17:30 僧ヶ岳登山口〜18:32 幕営地点へ〜21:18 就寝

この日は昨日の遅れを取り戻すことに決め、当初の予定通り滝倉山を目指す。
3:30 に起床し 2 年生中心に朝食を作る。お茶漬けを食べてすぐにテントを出て撤収にか
かる。久しぶりの山行であることもあり、手こずるかと思ったが去年より遥かにスピーデ
ィに撤収が完了した。この時、岩波上村吉澤の頃より圧倒的に優秀であることが明確にな
った。4:50 テン場出発。まだ日が昇るまで 1 時間はあるため、僧ヶ岳までの登りは早めに
終わらせたい。しかし登り始めて 10 分ほどで御山がバテたため、大元と吉澤が後ろにつ
く。前を行く 2 人に定期的に待ってもらいながら歩く。標高 1600m に着くころには続行
は厳しいくらいバテている様子だった。とりあえず僧ヶ岳手前まではなだらかそうだった
ため行くことにする。1600m 地点から僧ヶ岳へは夏道が出ていたためそこを歩く。やはり
御山が先頭と離れてしまい相当バテている。体調もあまり良くなさそうだ。この時 6:30
頃。引き返すには十分な時間がある。御山の荷物を他の人に振り分けてはどうかという意
見もあったが、荷物が減ったとしても尾根の幅が細い場合簡単に落ちそうなくらい疲れて
いたため、ここで撤退するという判断をさせてもらった。せめて最低限の荷物だけ持って
他はデポし、駒ヶ岳に行こうという案も出たが、引き返しの時間に余裕を持たせたかった
ため、この案も却下し、僧ヶ岳のみ登頂しすぐに下山することにした。8:00 に下山を開始
する。やはり御山はフラフラで前を行く 2 人との間隔が広がってしまう。時間はそこまで
押していないので焦らず下山する。その後昨日 fix でトラバースした地点までは懸垂を 2
回行いつつ順調に下山する。
fix は大元と吉澤で 2 本張り、全員通過する。その後は特に危険箇所もなく全員で 1000m
程まで下る。ここでテントを張り柴山金子が残って水を作ることにする。吉澤大元は最低
限の荷物を持ち御山を送り届けるために下山する。タクシー乗り場に着き、吉澤大元は再
度登り返す。18:30 頃にはテント場に着くことができ、ペミカンを食べる。福田監督に提
案していただいたスケジュールについて話し合うが全員の体調が万全なわけではなかった
ため、翌日下山することにし、21 時過ぎに就寝した。

5/4 8℃ 曇り
5:30 起床〜6:42 出発〜7:38 登山口へ

5:30 に起床し、朝食を食べテントをたたむ。昨日と同じく準備は素早く行うことができ
た。これが 6 人いると考えるとテントはとても狭く、かなり大変になるだろうと思った。

ここから先はほぼ土の道になるため落ち葉で滑ることにのみ気をつけながら下山する。1
時間ほどで登山口へ着く。ここでタクシーを呼び、タクシー乗り場に向かう。準備をして
いる間にタクシーも到着したため、すぐに乗り込む。温泉に入りコンビニで弁当を買って
食べ、新黒部駅へ向かう。新黒部駅で全員解散した。

5.総括
今回の対象を決めたのは 2024 年度の春山合宿で早月尾根から毛勝山を見て、あそこに
行きたいねと話していたからである。そのこともあり、今回の残雪期合宿は成功させたい
思いが強かった。しかし、実際に行ってみるとそう簡単には行かなかったと感じている。
合宿へ向けた総合的な準備が甘かったと思う。まず体力面では、個人の体力強化は週 2 回
のランニング以外はほとんど個人に任せており、全員での歩荷訓練などは行なっていなか
った。数年前までは部員同士でおんぶしあって坂道を走る等のトレーニングをしていたよ
うだが、私が入部してからは特に行われていなかったため、現在はそういった文化はない
が復活させようと思う。授業等で山に行ける時間もあまり取れないため、下界でのトレー
ニングは非常に大切だということを思い知らされた。
次にロープワーク面ではややスピーディさに欠けていた。やはり山に沢山いけるわけで
はないので、日々システム確認をしたり、技術書や YouTube で勉強したりしなければな
らないと思う。
生活技術面では 2 年生の中でも炊事の素早さや個装整理にかなり差があるように思え
る。合宿の準備段階でどうすればテント内で荷物を散乱させないかなどをよく考えておく
必要がある。逆に 2024 年度の新人合宿では個装整理が課題にあがっていた部員も今では
大幅に改善しているので、せっかく同級生がたくさんいるのであればお互いに良い方法な
どを共有し合うと良いのではないかと思う。
合宿全体としては、検討事項にもあげたが荷物が重くて安全にあのルートをやるにはメ
ンバー全員が相当ハイレベルでなければならないと感じた。現時点のチームレベルではか
なり難しい対象だったと思う。しかし、今後の課題も見えてきたし、このルートを今後の
目標にするのも良いのではないかと感じられたので、そういった面では良かったのではな
いかと少し前向きな思いもあるにはある。
直近の合宿は新人だ。対象は例年通り涸沢・奥穂高にしようと思っている。当然だが、
新人からは一年生も参加してくるためさらに気を引き締めていかなければならない。日々
のトレーニングやコミュニケーションなどを怠らないようにしたい。

文責:吉澤