2023年度冬山合宿

1.日程
2023年12月23日(土)~12月30日(土)

2.対象
北アルプス 栂池高原・白馬岳

3.メンバー
3年 岩波(C.L.)2年 上村(S.L. 医療・気象)、吉澤(装備)、1年 大元(食料)、成田コーチ

4.概要

12月23日(土) 天気:曇り

19:00部室集合~22:00部室出発~23:40鍛治屋橋駐車場出発

19時に部室に集合し、生鮮食料の振り分け、装備チェック、パッキングをする。高田OBが見送りに来てくださり1万円を頂く。準備は問題なく終わり、部室は22時で閉まるので、時間は早いが22時に部室を出発する。部室から50分程で鍛治屋橋駐車場に到着した。バス乗り場は帰省や旅行の客でとても混雑しており外の道脇でバスの時間まで待つ。定刻よりは少し遅れたが、無事バスに乗ることができ栂池高原スキー場に向けて出発した。

12月24日(日) 天気:晴れ 気温:-5℃

6:45栂池高原スキー場着~8:00成田コーチと合流・スキー訓練開始~15:40スキー訓練終了・林道入口~16:30早大ヒュッテ~22:00就寝

バスは夜行バスにしては設備が悪く、寝たり起きたりを繰り返しているうちに、7時前に栂池高原スキー場に到着。スキー場が開くのは8時からであり、それまでバス停で各自持ってきた朝食を食べながら時間を潰す。7時半ごろにはスキー場の更衣室が開いたのでそちらに移動して、着替えなど準備をする。8時に成田コーチとゴンドラ駅前で合流した。ゴンドラに乗り山頂駅まで行き、そこに荷物を置いてスキー訓練を開始。岩波と大元以外は兼用靴で滑った。前日までの降雪でスキー場のコースもほとんどがオープンし、心配していたヒュッテまで行けないという事態にはならずに済んだ。午前中は全員で山頂駅から中間駅までの中級コースを往復して練習した。大元は普通のスキーとの感覚の違いに苦戦していた。12時過ぎにバーガーキングで昼食を食べたが、かなり並んだので明日は時間をずらして行こうということになった。午後はスキー場上部のコースを中心に練習した。上部のリフトの最終時間の少し前にリフトで上に上がる。基本荷物をもって注意しながら乗ったが、大元は荷物ありでは厳しそうだったので空荷で乗らせて、荷物は2回に分けて運んだ。林道の入り口まで横に滑りここでシールを付け、ビーコンチェックの後ヒュッテを目指す。16時半ごろにヒュッテに到着。到着後は服を乾燥室で乾かした後、事前に星野OBに教えて頂いた通りヒーターをつけてヒュッテ内を温めてから水入れを行う。無事水が開通し、給湯器も使用できた。ヒュッテならではの豪華な夕食を堪能した後、明日の訓練に備えて22時に就寝。

青空の下、滑走する。(大元撮影。右から吉澤、成田コーチ、上村、岩波)

12月25日(月) 天気:雪 気温:-10℃

6:00起床~7:30ヒュッテ出発~8:00スキー訓練開始~15:40スキー訓練終了・林道入口~16:15早大ヒュッテ~21:00就寝

6時に起床し、朝食を食べ準備をしてヒュッテを出発。天気は良くなかったがスキー場での練習には問題なさそうだった。林道を下り8時にスキー訓練開始。大元に岩波が付き、11時半中間駅集合とし、自主練習とした。昼は比較的空いていた中華そば屋で食べ、午後も自主練習とした。午前中は昨日と同様苦戦していた大元も午後は別人のように上達していた。15時半にスキー場上部に集合し、林道を登り、ヒュッテに帰る。夕食を食べ、明日は予定通り白馬乗鞍岳を往復することにして21時に就寝した。

12月26日(火) 天気:晴れ 気温:-9℃

5:00起床~6:30ヒュッテ出発~10:00天狗原~11:40白馬乗鞍岳手前で撤退~12:30天狗原~16:30ヒュッテ着~21:00就寝

5時に起床し、ビーコンチェックをして6時半にヒュッテを出発する。シールを付けスキーでラッセルしながら天狗原を目指す。まだ雪が十分ではなく、木や藪がかなり出ていた。天狗原の一段下で休憩し、風が凌げるので明日以降はここに幕営することにした。10時に天狗原に到着した。白馬乗鞍岳の斜面は雪崩の危険を考慮し、木の出ている北東斜面を登る。しかし登っている途中で、まず、岩波続いて上村のシールと板の間に雪が大量に入り上に登れなくなる。また吉澤のシールも限界が近くなっていたので、白馬乗鞍岳山頂は諦め、そこから滑走して12時半ごろに天狗原に戻ってきた。天狗原からは引き続きヒュッテに向かって滑走する。岩波のスキー板のエッジが折れたので途中からワカンで下山。このように登山靴組は大苦戦しながら、何とかヒュッテまで下山。ヒュッテではシールを乾かし、雪が入らないようにアイゼンバンドや結束バンドで補強をした。28~30日にかけて好天が予想されるので、明日天狗原、明後日アタックとして夕食を食べ、21時に就寝した。

天狗原までのラッセル

12月27日(水) 天気:晴れ 気温:-9℃

6:00起床~8:00ヒュッテ出発~9:00撤退~10:30ヒュッテ着~21:00就寝

6時に起床したが、予報通り朝は天気があまり良くなかったのでしばらく様子を見て、8時にヒュッテを出発。林道を上がり、林道終点から20分ほど歩いたところで大元が苦しそうにしていたので、理由を聞くとスキー練習の時ひねった股関節の痛みを訴える。まだ栂池ヒュッテを少し過ぎたあたりで天狗原までは歩けそうになく、予備日もまだ豊富にあり30日までは好天予想だったので今日は停滞日扱いとしてヒュッテに引き返すことにした。ヒュッテに引き返す途中に複数のスキーヤーとすれ違う。10時半にヒュッテにつき大元を休養させ様子を見る。ヒュッテに帰った後は、少しでも軽くするため、大元の団装を抜いて振り分けた。夕食を食べ21時に就寝。

12月28日(木) 天気:晴れ 気温:-7℃

5:00起床~9:50ヒュッテ出発~11:50天狗原~13:00雪崩捜索訓練~16:30帰幕~20:30就寝

5時に起床。天気は快晴だった。6時に出発予定だったが大元の状態が悪くまだ歩けそうではない。大元をヒュッテで留守番させ、残りで白馬アタックを行う可能性も考えたが、そうすると新雪期合宿にも参加できていない大元の雪上でのテント泊経験がほぼゼロになってしまい、それはできる限り避けたかった。朝一でロキソニンを飲んでいたが、まだ効いていない可能性もあるので、天狗原まで上がる最終リミットである10時に出発することに決める。8時半に本人に状態を確認すると、薬が効いてきて歩けそうだということだったので出発を決める。大元が明日以降も状態が悪ければ、白馬アタックには連れて行かず、とにかく雪上での生活技術の経験をさせるつもりだった。天狗原までは前日多くのスキーヤーが入山したためか、雪が硬く締まっており26日に比べ快適に登ることができた。ちょうど出発からで2時間で天狗原に到着。26日に目当てをつけていた天狗原よりも一段下の場所に幕営。設営後雪崩捜索訓練を行う。6回ほど行いミスなく15分以内でできたので終了。その後成田コーチから弱装テストやイグルーの作り方を教えて頂き16時半に帰幕する。雪はしっかり締まっており雪崩のリスクは低そうだ。その後は水つくりと調理を急いで行い、夕食を食べ、30日の方が天候は良さそうだが、29日も昼までには天気は回復する予報でアタックできないほどの天候ではないと判断し、明日アタックすることにして20時半に就寝。

今日もいい天気。テントサイトから。

12月29日(金) 天気:曇りのち晴れ 気温:-12℃

4:15起床~5:30出発~7:00白馬乗鞍岳~8:40小蓮華岳~10:55白馬岳11:05~12:05小蓮華岳12:15~13:30白馬乗鞍岳~15:00テントサイト15:45~17:30ヒュッテ着~22:00就寝

4時15分に起床。朝の準備はとてもスムーズに進み目標通り1時間15分で出発準備を終えられた。1回だけではなくこれからも続けるようにしたい。スキーを履いて出発。大元も薬が効いて問題なく歩けている。予報通り朝は霧により視界が悪かった。白馬乗鞍岳山頂に近づくにつれ風が強くなる。1時間半ほどで山頂に着く。白馬乗鞍岳の下りは所々岩が出ており、これ以上スキーでの行動は難しいと判断し、白馬大池付近のラッセルを覚悟し、山頂付近の岩陰にスキーをデポしアイゼン装着。赤旗を立てて場所を見失わないようにしておく。乗鞍岳を下り白馬大池付近まで来ると風が弱まり、天気も回復してきた。白馬大池から船越の頭手前まではやはり予想通り膝上ぐらいのラッセル。アイゼンではラッセルは厳しいと判断しアイゼンの上からワカンを履き交代でラッセル。ラッセル区間はそこまで長くなく、船越の頭の手前あたりでまた雪が硬くなった。風が強くなる前に休憩をとる。船越の頭を過ぎ本格的な稜線歩きになると風が再び強くなる。船越の頭を過ぎたあたりでワカンを脱ぐ。小蓮華岳の手前は膝下程度のラッセルがあったが、そこ以外は基本的にしまった雪であった。天候はどんどん回復していったが相変わらず風は強かった。しかし新雪期で富士山の突風を経験済みであったので、あまり支障なく行動できた。雪庇はあまり発達していなかったが、極度に谷側(西側)に近づかないように注意する。8時半過ぎに小蓮華岳で最後の休憩をして、11時前に白馬岳の山頂に到着。

白馬山頂。天気晴朗ナレドモ風強シ

記念撮影をした後下山開始。約1時間で小蓮華岳に到着。休憩して再び下山を続け13時半にはスキーデポ地点まで帰ってきた。ここからはスキーを履きテントサイトまで滑走。吉澤、上村、岩波、大元、成田コーチの順に降りていたが岩波が道を間違えテントサイトよりもだいぶ下りすぎてしまい。登り返す羽目になり合流が遅れてしまった。急いでパッキングをして下山開始。全装でのスキー下山は難しく、途中でワカンに履き替えたり、はじめからワカンで下ったたりする方が、スキーで下るよりも早い場合があるなど、パーティー全員が同じ技術を身に着けてないと結果としてスキーの機動性が生かせないと感じた。暗くなる前に林道まで降りることができ、17時半にヒュッテに到着。夕食では残った食料を食べ尽くし、22時に就寝。

12月30日(土) 天気:晴れ 気温:-8℃

6:30起床~10:00ヒュッテ発~12:00スキー場ゴンドラ乗り場=下山~13:00白馬駅

6時半に起床する。朝食の準備と並行して、ヒュッテの撤収の準備をする。水抜きなどもして10時に撤収が終わりヒュッテを出発。もう少し早く撤収を終わらせられるようにしたい。林道までは全員一緒に下り、スキー場は各自滑りゴンドラ乗り場で集合にして、先行した部員がタクシーを呼ぶ。12時に全員ゴンドラ乗り場に集合し、タクシーで白馬駅に向かう。13時には白馬駅に到着し、駅前の藤屋食堂で食事をする。その後風呂で汗を流し、パタゴニアのアウトレットなどでバスや電車までの時間を潰し各自帰京した。

5.総括
今年は久しぶりに冬の白馬岳に登頂することができてとてもよかった。2年生2人のスキ―技術は例年に比べかなり優れていると思う。しかし、行動概要でも触れた通り、スキー技術の差や登山靴と兼用靴の両方の部員がいるなど装備に差がある場合、結局は一番遅い人のペースに合わせることになり、十分にスキーの機動性を生かすことができていないと感じた。なので、ある程度装備を統一する必要があると感じた。一方兼用靴組も兼用靴を履き続けていると脛が痛むとの話をしており兼用靴も万能ではない事には留意したい。生活技術に関しては、1日だけであったがスムーズにできていたと思うので今後も続けてほしい。しかし、ヒュッテの撤収には時間がかかりすぎていたので、その部分に関してはヒュッテの構造をより理解し、手際よく行う必要がある。また、細かいミスを1つ1つ無くすことも心掛けてほしい。いずれにせよ、白馬岳登頂という目標を達成することができ良いスタートを切ることができた。春山に向けてさらなる技術と体力の向上に取り組んでいこう。 (文責:岩波)