2024年度 残雪期合宿

1.日程
2024年5月2日(木)~5月5日(日)

2.対象
北アルプス剱岳早月尾根

3.メンバー
4年岩波(C.L.)  3年上村(S.L.医療・気象)、吉澤(装備)  2年大元(食料)

4.概要

5月2日(木) 天気:曇り
19:00部室集合~20:10出発~20:28早稲田駅~21:04東京駅~23:30富山駅

5限の授業の関係もあり、いつもより遅い19時に部室に集合する。高田OBと山賀コーチから差し入れを頂いた。時間がないので装備チャックとパッキングを素早く済ませる。団体装備は全員1人当たり13㎏になるように振り分けた。20時過ぎに部室を出発。今回は夜行バスが取れなかったので新幹線に乗るために東京駅に向かう。東京駅はGWの前夜という事もあり、かなり混雑していた。新幹線は約20分遅れで東京駅を出発し、23時半ごろに富山駅に到着した。明日のタクシーの予約を済ませ電鉄富山駅前でビバークした。

5月3日(金) 天気:晴れ 気温:18℃(馬場島)
4:30起床~5:09電鉄富山駅~5:36上市駅6:00~(タクシー)~6:40馬場島~7:22出発~8:10松尾平~11:30道標~13:00 1920m幕営適地~14:55丸山~15:00早月小屋~21:00就寝

4時半に起床。タクシーの予約がいっぱいである事と、富山からタクシーでは料金が3万円近くするので、上市駅までは鉄道を使い、上市駅からタクシーで馬場島へ。馬場島で準備をして、7時22分に出発。初めは全く雪がなく、夏山のような気候であった。2年前の記録では松尾平あたりから雪が出ていたことを考えると、今年は明らかに雪が少ない。1300mを過ぎたあたりから雪が所々現れる。1500mの道標を過ぎたあたりから、積雪がまとまってあったが、トレースはついており、ツボ足のまま進む。ひたすら登りの続く早月尾根の標高をあげていく。13時ごろに幕営適地に着いたがまだ先に進めそうであったので、早月小屋を目指して先に進む。早月小屋まで残り1時間の地点でアイゼンを装着。早月小屋には15時ごろに到着した。我々のほかにも4張ほどテントがあった。今日の状況を踏まえると、明日の山頂アタックも可能であるのではないかと考え、危険箇所はスタカットで通過することし、アタック日を明日に設定。明るくなってから歩き始める事とし、19時に夕食を食べ、21時に就寝。

↑早月小屋から。雪が少ない。

5月4日(土) 天気:晴れ 気温:4℃(早月小屋 朝3時半)
3:30起床~5:40 2500m地点5:51~7:35カニのハサミ~8:13剱岳山頂8:30~11:40早月小屋~12:00Fix通過練習13:00~20:00就寝

3時半に起床し、4時50分に出発。最初からアイゼンを履いた。予想道り雪は少なく6時前には2500m付近の鎖場に到着。鎖は完全に出ていたので鎖を利用して登る。シシ頭とエボシ岩は池ノ谷側をトラバースした。斜度もきつくない上に雪も締まっておりFixを張る必要は感じなかった。7時半にはカニのハサミに到着し、すり鉢状のルンゼに取り付く。雪はなく、岩をアイゼンで上る。想定より順調に進んだ結果8時過ぎには山頂に到着。少し休み記念撮影をした後下山開始。行きに登ったカニのハサミ上部のルンゼはガイドパーティーがいたので、横の雪壁をクライムダウンで下降開始。

↑剱岳山頂を望む

雪はしまっていたが、滑落した場合、下まで落ちる可能性があったのでロープを出すべきだった。10時を過ぎると雪が緩んできた。その後は所々クライムダウンをしながら順調に高度を下げ、行きに目星をつけていた2600m付近の雪壁で1回懸垂下降をした。12時前には早月小屋に到着。Fixの練習ができなかったので、早月小屋の下の斜面で1時間ほどFix通過の練習をする。当時中に下山することもできたが、急ぐ必要もないので今日は早月小屋で泊まることにて、水作りを行った後は、各自自由に過ごした。18時に夕食を食べ、20時に就寝。

↑夢に描いた剱の山に意気と力でねぶちあたるよかね

5月5日(日) 天気:晴れ 気温:9℃(早月小屋)
4:00起床~5:50出発~8:40松尾平~9:26馬場島=下山~10:58上市駅~11:24電鉄富山駅

雪が緩む前に下山しようと考え10時前に馬場島に着けるよう、4時に起床。5時半には出発したかったが、撤収に時間がかかりすぎていたので注意する。6時前に出発したがすでに雪は緩みつつあったので慎重に下る。危険な箇所があれば懸垂下降をするつもりであったが特に危険箇所はなかった。1500mの道標付近でアイゼンを脱いだ。8時半前に松尾平につき、10時に馬場島にタクシーを呼んだ。9時半前に馬場島に下山。上市駅までタクシーに乗り、上市駅からは鉄道で富山駅に向かう。富山で飯を食べ、風呂に入り各自帰京した。

↑試練と憧れ。早月の代名詞!

5.総括
今年は雪解けが早く、思ったよりもだいぶ雪が少なく状況が異なっていたが、残雪期の剱岳に登ることができたのは成果だと思う。しかし、装備の不備や撤収が遅いなどの課題も依然としてある。今回の装備ふり分けでのミスは部の全体のミスであり、今回は集合から出発までの時間が短かったことも一因である。以後のようなミスがないように気を付ける。また、ロープを出す基準が甘かったと考える。これからは新人も入ってくるので、より慎重な判断が求められる。残雪期の成功と反省を生かして今年度も頑張って行こう。(文責:岩波)