2023年度 新雪期合宿

1.日程
2023年11月29日(水)~12月2日(土)

2.対象
富士山 御殿場口

3.メンバー
3年 岩波C.L. 2年 上村、吉澤

4.概要

11月29日(水) 天気:晴れ

18:00部室集合~19:30部室出発~19:42早稲田駅~21:50御殿場駅~22:20太郎坊

本来は11月27日に出発する予定であったが、当日大元が体調を崩して合宿に参加できなくなってしまったので、出発を延期した。荒天が予想される28日と29日を避け30日入山にして29日の18時に部室に集合した。装備チェックと荷分けは27日に終わっていたので生鮮食料の追加とパッキングを済ませて19時半に出発。今回はバスタ新宿ではなく池尻大橋からバスに乗り御殿場に向けて出発。22時前に御殿場駅に到着。御殿場からは予約していたタクシーに乗り太郎坊まで行く。太郎坊で上村が個装袋を御殿場駅に忘れたことに気が付き、取りに戻った。本来は太郎坊から御殿場口新五合目登山口まで歩きそこで幕営する予定であったが、夜も遅いので太郎坊の道路脇に幕営することにした。

11月30日(木) 天気:晴れ 気温:1℃

6:00起床~7:23出発~7:54御殿場口新五合目登山口~8:06大石茶屋~9:21新五合五勺~11:55五合12:10~13:30六合目小屋跡TS~18:00夕食~19:30就寝

6時に起床し、パッキングや着替えなどをして7時半前に出発。歩き始めてしばらくすると御殿場口新五合目登山口についたがそのまま進む。懸念されていた風は、下部ではそれほど強くなく、行動に影響はなかった。五合目より下には雪はなく、夏道を進む。五合目から少し登ったところから硬い雪が出できたので、アイゼンを装着。五合目を過ぎても風は問題なさそうであった。幕営予定地の六合小屋跡には13時半に到着。予想していたよりも平らな場所がなく、風を遮れそうなものもあまりなかったが、何とか幕営できそうなスペースを見つけて幕営する。爆風対策にテントの四隅をイボイノシシでしっかり固定した。周辺には水作りができるほどには雪があった。幕営後は水作りと夕食の調理をして、18時に夕食を食べた。夜から上村が頭痛を訴え食欲がない。SPO₂の値は90もあり高山病ではなさそうだ。とりあえず頭痛薬を服用し明日様子を見ることにした。明日に備えて19時半に就寝した。

12月1日(金) 天気:晴れのち霧 気温:-10℃

4:30起床~8:25 TS出発~8:59七合目日の出館9:10~9:54赤岩八合館10:05~11:44浅間大社奥宮(頂上神社)12:15~13:11赤岩八合館13:25~13:43七合五勺砂走館~14:35帰幕~17:00夕食~18:00就寝

4時半に起床し、6時出発の予定だったが強風のため出発を延期。6時前に強風でテントの入り口が緩みそこから侵入してきた風でテント本体と内張りをとめるコバが一部根元から吹っ飛ばされてしまった。テント自体には大きなダメージはないが、コバは修理不可能なので吹き飛ばされた箇所に荷物を詰めて内張りが動かないようにして対応する。7時ごろになると風が弱まってきたので出発準備をする。しかし、その途中に吉澤がテント外に鍋を置き忘れ、鍋が風で吹っ飛んでしまうアクシデントが発生。五合目付近まで鍋を捜索するが見つからなかった。注意するとともに改めて物を外にフリーで放置しないことを徹底させる。なお上村は頭痛が改善されないようなのでテントで休養とした。想定よりも六合目まで登るのに時間がかかっており、明日は下山日で十分な時間が確保できない可能性があることから岩波と吉澤で上部偵察と無理のない範囲で山頂アタックを行うことにし、8時25分にTSを出発。上部は強風で雪は飛んでおり、硬い雪と夏道が混じっている感じであった。基本的に登山道に沿って歩いたがクラストしている場所など避けられる危険個所は避けて登った。9時に七合目日の出館、10時に赤岩八合館とコースタイムよりやや早く登ってゆく。赤岩八合館からは風が強くなる。八合目見晴館跡で最後の休憩をし、慎重に山頂を目指す。突風に注意しながら11時44分に山頂神社に到着。神社から剣ヶ峰を目指すが、前に進めないほどの爆風が吹きおろしてくるので断念した。近くの鳥居で記念写真を撮り12時過ぎに下山開始。赤岩八合館までは風が強かったので慎重に下山。赤岩八合館から七合五勺までは登山道に沿って下山し14時前に七合五勺砂走館に到着。ここからは大砂走りを使って下山。このあたりから霧が出できて視界が悪くなる。一度大砂走りと六合目小屋跡の分岐を見落とし宝永山との分岐まで降りてしまうが間違えに気付いて地形図を確認し登り返した。14時半過ぎに帰幕した。上村も薬が効いてきてだいぶ回復したようだった。帰幕後は夕食を食べ18時に就寝した。

↑山頂神社近くの鳥居にて記念写真。とにかく風が強い。

12月2日(土) 天気:雪のち曇り 気温:-12℃

4:45起床~6:15出発~(雪上訓練)~11:03帰幕~11:55下山開始~13:12大石茶屋~13:18御殿場口新五合登山口13:55~14:10太郎坊=下山

4時45分に起床し、6時出発を目標にしたが15分も過ぎてしまう。前日のアクシデントで鍋が1つしかないことを考慮しても遅すぎる。炊事の効率化や前日に行動に必要なものを用意しておくなど生活技術の改善が必要だ。予報では晴れであったが、パラパラと雪が降っていた。前日のアタックで上部には訓練適地があまりないことがわかっていたのでTS周辺の斜面で訓練する。5mほどの長さだが何とかスノーバーの刺さる斜面を見つけ1人リードとフォローを1回ずつ行いスタカットを確認する。その後懸垂下降、確保三種、Fix通過とロープワークを一通り確認した。滑落停止は安全な斜面がなかったため行わなかった。最後にアイゼン歩行を行った。誤って滑落すると危険な斜面であったので交代で1人が下部で監視し訓練した。歩行技術を一通り確認し、問題なかったので終了した。11時過ぎに帰幕し撤収を行う。強風でテントポールも変形しており、富士山の風の強さを実感する。テント本体と合わせて修理が必要だ。撤収の最中に東京農大の隊が登ってきた。どうやら六合より上に幕営するようだ。12時前に下山を開始した。大砂走りは2200m付近まではクラストしていたのでアイゼンをつけ下山する。それより下に雪はなくアイゼンを脱いだ。2年前に比べ風が弱く快適に降ることができた。13時過ぎに御殿場口新五合目登山口に到着した。登山口で荷物の整理をしてから太郎坊に向かう。途中でタクシーを呼んで太郎坊からはタクシーで御殿場駅へ。御殿場駅前でトマトラーメンを食べ、御殿場線に乗り車窓を楽しみながら帰京した。

5.総括
今回の合宿は直前に体調不良者がでて計画が変更されるなどのイレギュラーがありながらも久しぶりに山頂神社まで行くことができた。このことは成果であるし、素直に喜びたい。しかし、忘れ物をする、鍋を吹っ飛ばされるなど小さなミスが色々見受けられた。このような小さなミスが積み重なると命取りになるので、この点については全員大いに反省し、次回以降の合宿では改善しないといけない。また、毎年この時期になると体調を崩す部員が増えるので体調管理にも気を配らないといけない。今回の合宿で見つかった問題は直し、できたことは引き続き行い、充実しつつも安全で事故のない積雪期シーズンにしよう。(文責:岩波)