2022年度 夏山合宿

1.日程
 2022年8月1日〜8月15日

  1. 対象
    定着:北アルプス 劔岳
    縦走:北アルプス 雷鳥沢〜浄土山〜五色ヶ原〜越中沢岳〜薬師岳〜黒部五郎岳〜双六岳〜槍ヶ岳〜横尾〜上高地
  1. メンバー
    4年小池 定着C.L.(気象・医療) 5年真道 縦走C.L. 2年岩波(装備) 2年鎌形(食料) 1年上村   
  2.  概要

    ・登攀パート(8/1~9)

    8/2 気温22℃ 晴れ
    16:00部室~23:15バスタ新宿~5:15富山駅~7:30立山~9:10室堂~10:10雷鳥沢テント場~12:35劔御前小屋 ~ 13:40劔沢着

16時に部室に集合し装備の最終チェックとメンバーが変わったことによる登攀パーティーの変更やルートの危険箇所  について再度共有を行い22時頃にバスタ新宿へ。その際、浅川OBからシュークリームなどの差し入れを頂く。
バスタまで、室堂にデポする縦走用の30㎏近くのダッフルバックの運搬があったが、田中が応援に駆けつけてくれ運  んでくれた。バスタ新宿では高田OB、山賀コーチが見送りに来てくださり、羊羹の差し入れを頂いた。
富山駅に向かう際、真道さんのみ別便で他の4人と40分遅れ(バスが満席のため)で富山駅に到着することになった。そのため、先に到着した4人はデポ品を預けるなどの時間を考慮し先に室堂に向かう。デポ品は室堂のチケット カウンターの事務所に置かせて頂いた。ガス管だけでなく、レーション・食糧が入ったダッフルバックごと預かって貰えた。準備がスムーズに終わったので真道さんと劔沢野営場で待ち合わせることにし、先発隊4人は先に真砂沢へ向かう。荷物は小池(30㎏)、岩波(35㎏)、鎌形(30㎏)、上村(30㎏)、真道(38㎏)となった。雷鳥沢を過ぎ劔御前に向かう急登で鎌形が遅れ始めるも、去年よりスピードは早く一年間の活動の成果が見られた。急登の中腹あたりで真道さんが追い付き、全員で劔御前小屋に向かう。小屋まで100m付近で上村がバテ始めたため真道・小池でフォローを行った。暑い中30㎏を背負うのは今合宿が初めてのため荷物を抜くことも考えたが、無事登り切ってくれた。その際、2年生は先に劔御前小屋に到着するも1年生のフォローに来ることがなかったため、後輩をサポートするのが上級生の役目であると厳しく注意した。劔沢野営場に到着し、県警の方に雪渓の状況を伺ったところ長次郎谷上部は崩壊が激しく、平蔵谷もクラック多数との説明を受けた。そのため、各ルートの下降路の雪渓が悪いと真砂沢に幕営するメリットが少ないことや翌日に雪渓を偵察することを踏まえて劔沢野営場に幕営した。

8/3 劔岳(長次郎谷左俣) 気温12℃ 天気 曇り・霧

3:00起床~4:00出発 ~4:40劔沢雪渓入渓 ~5:10 長次郎谷出合~5:20出発~6:50熊の岩~8:00 長次郎谷雪渓切れ~9:55 熊の岩~11:15長次郎谷出合~12:10劔沢入渓点~13:10劔沢野営場

午後からの落雷・夕立を避けるため起床を3時とした。炊事は2年生が上村をフォローし上手く行えた。
起床から1時間で出発出来たが、準備の面では上村に声をかけて急かすなどしていればもっと素早く出発することが出来ることを伝えた。劔沢野営場から長次郎谷出合まで2年生がトップで歩き、ルートファインディングを行う。別山尾根方面に向かうこともあったが軌道修正して、長次郎谷出合まで約1時間で到着することが出来た。各人の劔沢雪渓歩きに関しては、岩波・上村は歩き方の姿勢やスピードも問題なかった、鎌形は歩幅が小さいことや前屈みになって下れないことから隊のペースから遅れていた。
長次郎谷は上方・側面の落石に注意しながら右岸側から詰める。ここでも歩幅が合わないことから鎌形が隊のペーから遅れる。落石や雪渓の崩壊に注意し岩が露出した所で1度休憩を挟み熊の岩上部に到着、長次郎谷上部に向かう。この時からガスが濃く4〜5m先までしか視認できなくなる。上部は崩壊箇所が多く、また傾斜が強く雪質も硬かったため、強く蹴りこまなければアイゼンが刺さらない状態で緊張感のある登りが続いた。山頂直下30m付近で雪渓の切れ間に厚さ50㎝、幅1m程のスノーブリッジが出てくる。崩壊したら10mは落下しそうであったため撤退を判断。
下る際は、傾斜が強く2年生も今までに経験したことのない雪質の硬さであったため、真道先頭のあと2年生2名が続き小池が上村をフォロー、クライムダウンを交えた慎重な下降となった。途中、恐怖心からか上村に元気がなくなりスピードが大幅に落ちたため、休憩をこまめに挟み上級生達で鼓舞する。熊の岩からは上村も元気を取り戻し、ス
ピーディーに劔沢野営場に帰幕することが出来た。
幕営場所については平蔵谷の偵察が出来なかったものの、下降路に別山尾根の選択肢を残しておきた
かったため変わらず劔沢野営場にした。夕方から雨が降り始め、明日もこのまま続く予報であったため停
滞になるかもしれないことを伝え就寝した。


8/4 停滞 気温12℃ 天気:雨

3:00起床~終日停滞~17:00就寝

起床後、前日の予報通り雨が続いており岩も濡れていると考えられたので終日停滞とした。トランプなどを行い絆を深めて、明日に備えて早めの就寝。翌日の起床時間は4:30から日が出てくることから2:30にすることにした。

8/5 Cフェース剣稜会ルート 気温12℃ 天気:晴れ 

2:30起床~3:30出発~4:45長次郎谷出合

前日の打ち合わせ通り2:30に起床した。前々日よりもスムーズな準備と炊事を行え、各人トイレをする余裕もあり出発することが出来た。長次郎谷出合までは5人で向かい、その後は鎌形が隊のペースから遅れを
とっているため先発隊(小池・岩波・上村)と後発隊(真道・鎌形)に分けて行動した。

・先発隊(小池・岩波・上村):6:15八峰基部~6:55剣稜会ルート登攀開始~10:20 Cフェースの頭~
11:40下降開始~12:00 第一懸垂点~12:50懸垂下降終了~15:50 長次郎谷出合~17:20劔沢野営場

長次郎谷では前方に1パーティー、後発隊の後ろに3パーティーほど確認できた。順調に長次郎谷を詰
め、八つ峰基部に到着し登攀に必要な荷物以外をCフェース基部にデポした。先行していたパーティー
はクライマーズミーティングで知り合った信大の方で、同じ剣稜会を登るようであった。信大パーティーに
は先を譲り、Cフェース基部で登攀の準備をする。その間に後発隊も到着。1p目、快適なスラブ。岩波
の支点構築が残置の捨て縄で作成されており、新しくスリングを使用するか少し上部のテラスの
ハーケンで作成するように注意する。2〜3p若干岩が濡れていたが、危なげなくスラブ・フェース
を抜ける。三つ峠などで行ったカムで支点を作る経験からか、積極的にカムを使用し、脆い支点
が多いアルパインに対応していた。 4p目の水平リッジで難しいスラブ面から抜けたようで、フォ
ローの上村が少々手こずる。リッジ状を行けば簡単なように思えた。5p目簡単なリッジを登り無
事トップアウト。

↑ 剣稜会1P目を登る岩波
↑ 登攀を終えて、Cフェースの頭

Cフェースの頭で1時間、後発隊を待つも上がって来なかった。無線のバッテリーが切れてしまい携帯で連絡を取り合う。1パーティー追い抜いてもらったようで時間がかかる状態だと連絡を受けたため、先に懸垂下降を開始する。懸垂点を見つけるのに2回ほど登り降りを繰り返したものの、支点を無事発見し15m・50m・20mの懸垂下降を3回行った。懸垂点で後発隊が4P目あたりを登っているのを確認した。支点をオンサイトで見つけるのは難しいので岩波に場所を覚えさせるだけでなく、GPSのログも取った。5.6のコルに下降し、最後雪渓との間の脆いガレ場を乗り越え、ガレガレのA~Cフェース基部を渡りデポを回収した。 今後の懸垂下降は1回目の後、Aフェースの頭に移動して懸垂するとガレ場を登り返すことがないので良い。

↑ 最初の懸垂点から(4P目あたりを登る後発隊)


デポをした場所で、1時間半近く後発隊を待つが一向に降りて来ない。Aフェース頭から顔を出したので
先に下降し劔沢野営場に戻ることを伝え、先行隊は炊事の準備をして待つことにした。
先発隊は17:20に劔沢野営場に帰着し、夕食を取る。後発隊が19時半になっても戻って来ないため小池
が迎えにいく。劔沢小屋から15分ほど歩いた所で後発隊と合流し20:15劔沢野営場へ。その際、後発隊
が譲ったパーティーともすれ違った。17時間も行動していたため翌日は停滞することにした。

・後発隊 鎌形L 真道隊
7:50 登攀開始 13:50 トップアウト17:30八つ峰基部18:30 長次郎谷出合 20:15 TS

鎌形リード、2ピッチ目にルートファインディングをミス。左上するところ、右上し過ぎ、登ることも引
き返すこともできなくなり、残置ハーケンでピッチを区切った。フォローの真道も上がる。対応に時
間がかかりそうだったので、後続の3人パーティに先を譲った。真道がリードを交代し、ハイマツ上
を左上しルートに復帰。その後前を譲ったパーティの通過を待ちながら14時前にトップアウト。懸
垂下降時も先行パーティーの通過を合計1時間強待機した。20時帰幕が濃厚だったので、鎌形
の装備を真道が全て持ち、暗くなる前に長次郎谷を通過。出合いでザックを返し、劔沢を上って
いる途中で小池と合流した。

8/6 停滞(別山岩場) 気温15℃ 天気:晴れ

岩波、鎌形、上村:5:00起床~終日停滞~17:00就寝
真道、小池 :5:00起床~9:10テント場発 ~10:00 別山岩場右岩稜取り付き~12:20 トップアウト
~13:00 テント場 ~17:00就寝

前日の長い行動時間を考慮して停滞日に決めた。小池・真道は別山岩場に向かい右岩稜を登る。1p目上部のカンテを抜けることが出来ず、裏のクラックに周りエイドをして抜ける。その後は簡単な岩稜、クラックの走るフェース、岩稜と快適な登攀が出来た。下降は別山北尾根から下った。その際、平蔵谷がよく見え、雪渓が切れガレ場が多数あることを確認でき、明日以降の下降路は別山尾根が良いと判断。別山岩場は下部でもクラックがあり、ハーケン・カムの練習などに適しているのでは無いかと感じた。また晴れている日は平蔵谷の様子が伺える。別山岩場帰着後、野営場の方から頂いたオレンジジュースや持ってきたスイカを食べた。

↑右岩稜3P目 劔御前が見える
↑ピッケルで綺麗に割れました

 

8/7 源次郎尾根 気温14℃ 天気:晴れ

2:30起床~3:30出発~4:35 源次郎取り付き~9:10 2峰懸垂開始~10:25劔岳山頂~10:50下山開始~
(別山尾根経由)~11:40カニの縦バイ~14:00テント場到着

2:30起床とし、引き続き行動開始時間を早める。炊事・準備ともにスピードが上がってきていた。源次郎尾根取り付きまではスムーズに辿り着き、最初に取り付くことが出来た。後ろには3パーティーほど向かってくるのを確認した。取りつき直後のチョックストーンが悪く、登山靴で登るのに手こずっていたが全員危なげなく通過。鎌形はハイステップに苦労し、前との差が空いてしまう。最初のコルに到着する手前で後ろの2人組パーティーに追い抜いてもらった。 下級生は泥だらけで染み出しがある岩などに慣れていないこともあり、中々スピードが上がらなかった。暫く進むと先行パーティーが2650m付近の10m程のフェースでロープを出していた。我々も危険と判断しFIXを張ることにして先行パーティーが抜けるのを待つ。その後7名ほどの立教大パーティーが上がってくる。 先行パーティーが抜け、岩波がリードをしている最中にロープで繋がった4人組のガイドパーティーが立教大を抜き現れる。岩波の登攀中に登ろうとしたため、静止を促す。お客さんを登らせているからという理由で先を急いでいるようだった。仕方がないので岩波がFIXを張った後に、そのガイドパーティーに先に抜けて貰うことにした。我々はFIX帯を素早く抜け稜線に出る。稜線に出た後は、快調に進みⅡ峰からの懸垂も2年生を主体にスピーディーに下降を行う。Ⅱ峰から本峰までは明瞭な踏み跡があり1時間ほどで劔の山頂に立つことができた。山頂では真砂〜平蔵谷〜本峰南壁を登って
きた立命館大OBパーティーに雪渓の状態の情報を貰うことが出来た。スノーブリッジを縫って歩いてきたとのことだった。平蔵谷から降れないことは無いようだが、判断は変えずに確実に下れる別山尾根からの下山を選択。 カニのヨコバイなどは鎖にデイジーをかけながら下山。別山尾根の下山路は段差のある岩場が多く鎌形が大きく遅れる。スピードは出ないが全員危なげなく別山尾根を下り、その日の行動を終えた。

↑ 2年ぶりの劔岳山頂!



8/8 本峰南壁A2 気温15℃ 天気:晴れ、曇り、霧

2:30起床~3:30出発~(別山尾根経由)~6:30平蔵のコル~6:45 本峰南壁A2取り付き7:10 登攀開始~12:40 劔岳山頂(先行隊)~13:50 劔岳山頂(後発隊)~(別山尾根経由)~17:10 テントサイト着
起床後、火をつけるのに手間取るなど炊事・準備の動きが遅かった。疲れが溜まっているなかでも出発までスピーディーな行動をするように注意した。本峰南壁までのアプローチは平蔵谷からではなく、別山尾根を使った。平蔵のコルからガレ場を少し降り、雪渓をトラバースして取り付きに向かう。パーティーは先行隊(小池・岩波・上村)、後発隊(真道・鎌形)とした。

・先行隊(岩波・小池・上村)
1p目でリッジの頭に上がる際、左から巻く所をクラックの走ったやや傾斜の強い箇所を登ったため、抜け
るのに時間がかかる。2p目、リッジの弱点になりそうな箇所を見極めて狭いテラスで切る。3〜4p目簡単な
リッジを右方向から周り込む。5p目で登山道が見え、ロープをしまい山頂に到着する。時間がかかっては
いるが危なげなく登ることが出来た。鎌形・真道隊を1時間山頂で待つ。

↑ 景色に恵まれない男達


・後発隊 鎌形L 真道隊
8:00 登攀開始 14:00 本峰頂上トップアウト
1,2ピッチ目は問題なく。3ピッチ目岩壁内の凹角を登っていく。凹角を出た後に岩角にロープが
引っかかりスタックしたのでピッチを切った。6ピッチ目、頂上直下100m付近、ルートを左のリッジ
上にとったが、ここでもロープがスタックした。予定より2時間くらい遅くなってしまった。

↑ 背景白だけど合成じゃないよ!


雨に降られる前に足早に別山尾根を下降する。鎌形のスピードが上がらないため、劔山荘からは隊を分
けて先行隊(真道・岩波・上村)が炊事の準備のため先に戻り、後発隊(小池・鎌形)がゆっくり劔沢野営
場に戻り、全員無事に夏山合宿登攀パートの行程を全て終えた。

皆よく頑張りました!  劔岳、また来年もお願いします。


8/9 劔沢野営場~ 雷鳥沢 気温15℃ 天気:晴れ

6:45起床~8:05 出発~9:10雷鳥沢

縦走に備えてテントを畳む所まで1時間15分で出発出来るか行ってみた。パッキングに手間取る所が多く5分ほどオーバーした。縦走の際は時間内に行えるように前日からパッキングの準備をしておくようにと下級生に伝える。雷鳥沢に到着した後は小池・鎌形は立山に降り買い出しを行い、全員で室堂駅で縦走に備えて米などを振り分けた。後は各人みくりが池温泉で汗を流すなどした。

8/10 休養日

室堂で装備を送り返す。その後自由時間。

・縦走パート(8/11~15)

8/11 天気 晴れ 気温 雷鳥沢15℃ 五色ヶ原25℃
2:00 起床 ~3:22 出発 ~4:18 室堂発 ~5:50 浄土山 ~6:58 獅子岳手前~ 9:10 五色ヶ原キャンプ場TS(電波◎)~18:00就寝

縦走初日。撤収作業で遅れる。下級生同士のコミュニケーションが不足し連携が上手くできていないようだ。各々が炊事リーダーのつもりで、先を想像し次にやるべきことを考え積極的に周りに指示を出すことを心がけたい。鎌形、上村、岩波、小池、真道で隊列。鎌形がトップなのは初。分岐を見逃し間違えることが多々あるので注意。室堂でゴミと空のガス缶を廃棄。浄土山頂上で小雨が降ってきたので雨具ザックカバーを着用。鬼岳と獅子岳のコルで雨は止み日が顔を出す。雨露で輝くミヤマトリカブト、ハクサンフウロ、シシウドの群生。獅子岳頂上で撮影。ザラ峠への下りで上村のペースが鈍化。ザックで肩が痛いとのこと。ガンバ!五色に着いたので予定通り幕営。太陽もこれからが本番という時刻での帰幕で、日差しが痛い。五色ヶ原と言いつつ、咲く花々はチングルマとハクサンイチゲの
白一色のみ。それでも花の百名山に相応しい綺麗なお花畑の中で、鍋を頂き本日は終了。

8/12 曇り 15℃

2:00起床~ 3:15 出発 ~4:10 鳶山 ~5:35 越中沢手前 ~6:50 スゴ頭手前 ~8:06 スゴ乗越 ~8:56 スゴ乗越小屋TS(電波◯)

本日は定刻通りの出発。上空は晴れていて視界良好。しかし、越中沢の頂上から、薬師岳頂上一帯が唯一分厚い雲に覆われていることを確認。風も強そうだ。間山くらいまではガスってはない。スゴ乗越で小雨が降る。予定通り小屋で幕営した。本日南から薬師を超えてきた人の話曰くやはり稜線は風雨が強かったとのこと。

8/13 晴れ 15℃

2:00起床 ~3:13出発 ~4:25 間山 ~5:35 北薬師手前 ~6:52薬師岳着 ~7:15薬師岳発 ~9:00薬師峠キャンプ場TS ~9:00 帰幕 (電波△)

本日は台風8号メアリが東海付近に上陸する予報だが、幸い我々がいる山域への影響は少なそう。朝から快晴。北薬師に登る途中遥か南に巨大な雲の塊が見える。メアリだろう。薬師岳頂上の薬師如来に芝高校仕込みの祝詞を捧げる。いつもはガスっている薬師岳。こんなに晴れているのは初めてだ。昨年も雲海の下に沈んでいた特別天然記念物の圏谷群が一望できた。撮影を済ませ下降開始。ベニヒカゲが飛び交う薬師平を抜け、薬師峠に到着。

↑ 珍しく霧なしの薬師岳
↑ 腹に日焼けのベルトができるので絶対にマネしないでください!
















8/14 晴れ後雨 12℃

2:00起床 ~3:15出発 ~4:21 2450m ~5:26 北ノ俣岳 ~6:37 中俣乗越 ~8:26黒部五郎岳 ~10:23黒部五郎小屋 ~12:28 三俣蓮華岳 ~13:46 双六岳 ~14:30 双六小屋TS (電波◯ )~19:00就寝

16日から荒れる予報なので、本日中の双六小屋着を目指し行動開始。太郎平の緩やかな木道の登りが続く。北ノ俣岳で今合宿初のご来光。チングルマの果穂が赤く揺れすでに秋の予感。ガスで景色ゼロの黒部五郎岳で百名山二座目。定刻通りに小舎に着き、隊員も余力があるのでそのまま双六小屋を目指す。三俣蓮華岳を通過した辺りで雨が強まり雨具とザックカバーを出す。西風だったので、休憩は稜線の東側で取りながら双六岳へ。東側は比較的穏やか。双六岳通過後、オーダーを変え、テントを持っている岩波、1年上村、小池を先にテン場に向かわせる。鎌形、真道も遅れて帰着。テント設営がちょうど終わるころに雨足が強まり、テント内に逃げ込む。衣類が濡れてしまったのでガスを焚き乾燥。浸水対策をして就寝。

↑ 黒部五郎小屋。この時は雨に降られず行けるのでは…とか思っていた


8/15 雨のち曇り 12℃

2:30起床~ 3:45出発 ~7:20 千丈沢乗越 ~9:00槍ヶ岳山荘 ~12:00ババ平キャンプ場 ~14:20 横尾~15:30徳沢園 ~17:00上高地=下山

天気は曇天。2ピッチ目くらいで雨がパラつくので雨具を着用。千丈沢乗越を越え飛騨沢側に出ると風が強い。一旦風の弱い所まで引き返し、ペースを上げるため鎌形の荷物を抜く。槍ヶ岳山荘まで1h10minノンストップで進む。乗越から200mも上がると、大喰岳の陰に入ったからか風は弱まる。岩波、上村、小池は先に向かい、山荘で全員合流。山荘外の風避けスペースで休憩するが、上村が濡れて寒そうなので衣類を貸して温める。休憩中、北鎌尾根を上がってきたというバイタルな関西人女性2人組に元気をもらう。それでもやはり槍ヶ岳の頂上は雨風が強そうなので、登頂は断念し、下山開始を決める。9時雨足が弱まった頃に下降開始。槍沢側は雨風はあまり強くない。傾斜がゆるやかになったババ平手前辺りで、先頭の鎌形が右足首を捻る。骨折ではなさそう。自力歩行は可能なようなので、荷物を抜いてひとまずババ平を目指す。テン場で泊まり明日また行動するより、今日中に下山して最善の処置をした方が良いと判断し、上高地に向かうことを決めた。一の俣まで来ると傾斜は無くなり、鎌形もピッケル等の補助も使わずに歩けそうだ。徳沢園で挨拶をしてコーヒーフロートを頂く。17時にバスターミナルに到着して下山した。

4.総括
 まずは、すべての行程をやりきることができたことは喜びたい。2週間以上山の中で生活し続けるという貴重な経験もできた。昨年できなかった剱岳での定着登攀もできた。
 2年生について。当たり前だが大きく成長していた。まず、自分の意見を持って積極的に隊の行動判断に加わっている点はよかった。ただ、自分視点での意見が多かったので、下級生や天気など絡めて隊にとって一番いい選択肢を客観的に総合的に判断できるとさらにいい。また1年生の面倒をよく見ていた。自分のことだけではなく周囲のメンバーのケアをできるようになっている。ただ、アフターケアが多かったので、先のことを想像・予測して、1年生に対してその事態が起きる前の予防的なケアができるようになればもっといい。
今合宿は初めてのことが多かっただけに課題もたくさん見つかったのではないか。アルパインでの初リード、バリエーションや縦走でのトップを経験し、先頭に立ち、自分が隊を動かしていく立場の体力面、判断面の大変さを実感したのではないか。先輩や前の人に盲従するだけの1年生は卒業し、隊を俯瞰し主体的に動ける隊員になれるように、頑張っていこう。あと、同期同士の連携、横のつながりを大事に、協力する意識をもっと持って欲しいと思う。
 上村は1年生一人の中で、新人合宿とは比べものにならないスケール、長い期間のなかで、全て
がはじめてづくしの頑張っていた。クライミングセンスや理系仕込みのロジカルさなど光るものを
感じるので、基礎体力、山の知識をもっとつければ伸び代はかなりあると思う。天気やルートの
詳細など分からないことをすぐ先輩に聞くのではなく、自分で調べて考える癖をつければ、どんど
ん成長すると思う。
 次は新雪期合宿だ。厳しい冬山シーズンに入る。今回の合宿で自信がついた部分、課題だと感
じた部分両方あると思うが、次の合宿に繋げていこう。