9/17-9/20 小川山 クライミング山行

1.対象:小川山(廻り目平キャンプ場周辺の岩場)

2.期間:2019年9月17日〜9月20日

3.参加メンバー:中島(4年)、小野(4年)、真道(2年)、小池(1年)、田中(1年)

廻り目平キャンプ場

4.概要:

1日目(9/17) 6:00小淵沢駅発〜7:00信濃川上駅〜10:00廻り目平キャンプ場設営〜11:00ソラマメスラブ〜16:00帰幕

始発の電車に乗り信濃川上へ。駅からはタクシーを使い、途中スーパーで食料を購入しながら、クライミングの聖地、小川山へと向かった。廻り目平キャンプ場に到着して間も無くテントを設営した後、各々荷物をまとめて最初のターゲットであるソラマメスラブへと出発した。キャンプ場には大学生とみられるパーティーを含めて何組かがクライミング目的でテントを構えていたが、さほど人が多い印象はなかった。ソラマメスラブ到着後準備を整えてトップロープの設置に取り掛かる。中島は当スラブの最右端ルート「やわらかソラマ(5.8)」に、真道は「ソラマメ(5.9+)」に取り付く。中島は難なく完登し、ロープをかけ終わる。その後当ルートを小池が登った。一方、真道は、スラブのエリアに入る前の部分で苦戦し途中でリタイアした。後を引き継いだ小野は危なげなく完登し、ロープを設置、そのトップロープで田中が登った。田中は初の外岩登攀ながらも才能の片鱗をのぞかせ、途中スラブで足を滑らせてフォールをしたものの、懸命に登りきった。続いて、真道が再チャレンジする。先程越えられなかった部分を何とか越え、スラブエリアへ。スラブとは初の対峙ではあったが、バランスをとりながら何とか登りきった。その後小池も続く。小池はスラブには適応しきれず、ロープを掴みながらの登攀となった。一行は場所をソラマメスラブ下部へと移し、新たなルートの登攀に取り掛かる。小野、真道チームは「甘食(5.10b)」を小野リードで、中島、小池、田中チームは「三色すみれ(5.10a)」を中島リードで取り掛かる。全員完登し、この日のクライミングは終了。帰り道に炊事用に枯れ枝を拾いながら帰幕した。

「三色すみれ」真道

2日目(9/18)6:00起床〜7:30出発〜8:00尾根岩Ⅱ峰〜13:00親指岩〜16:00帰幕

朝食後身支度を済ませ、本日最初の目的地である尾根岩Ⅱ峰へと。小野、小池隊と真道、中島、田中隊に分かれてそれぞれクライミング開始。小野隊は左手のフェースから、真道隊は右手のクラックから、「セレクション(5.8)」に取り掛かる。小野隊は先行してルート中間のスラブを登りきり、2ピッチ目終了点で懸垂下降をして下りた。真道隊は取り付きのクラックにてこずり、リードを中島に交代。A0をしながらも3人ともスラブを登りきった。下りてきたところで雨が降ってきたため、Ⅱ峰を後にする。撤収後途中のボルダーで暇をつぶす。その後、親指岩であれば岩も濡れていないだろうとの判断でそこへと向かう。小雨の中親指岩に到着。真道、小池、田中の3人はその岩の神々しさに息を飲んだ。早速、真道リードで「小川山レイバック(5.9+)」をクライムオン。しかし、クラック、カムでのナチュラルプロテクション共に不慣れな真道は開始1mほどでリタイア。中島が引き継ぐも歯が立たず、無念の敗退。雨もひどくなってきたため、一同はテントサイトへと戻った。

「小川山レイバック」

3日目(9/19)6:00起床〜7:30出発〜8:00尾根岩Ⅱ峰〜15:30帰幕

3日目の朝は爽快だった。昨日の雨は夜のうちに上がっており、岩も程よく乾いていた。この日は昨日のセレクションルートの続きを登る予定であった。Ⅱ峰取りつき地点に到着後すぐに、中島、真道、田中は真道のリードで左手のフェースよりクライムオン。真道、田中共にスラブでのスメアリングがだいぶ板についてきた。昨日と同様の地点でボルトに支点を取り1ピッチ目を終了。2ピッチ目は、途中立ち木にランナーを取りながらルンゼを左上に上がっていく。大木に支点を取り2ピッチ目終了。3ピッチ目は序盤にクラックがある。真道がクラックで苦戦しリードを中島と交代。そのまま右上に登っていき登りきったところの立ち木に支点を構築。リードを真道に戻し、スラブ気味のバンドを右にトラバースする4ピッチ目。滑れば落下の緊張を伴うピッチであった。トンネルのような箇所を、体を這わせながら抜けピッチの終了点へ。5ピッチ目は序盤フレークを掴みながらコーナーを登っていき、テラスに出たところでピッチをきる。6ピッチ目はルンゼ手前までの移動。ラストの7ピッチ目はルンゼを抜けた後40m進みⅡ峰ピーク手前松の立ち木に支点を取り終了点とした。下りは5ピッチ目終了点まで歩いて戻りそこから50mほど懸垂下降してテラスに着地。取り付き点までは歩いて降った。小野、小池隊は、南陵神奈川を登攀した。

「セレクション」中島

4日目(9/20) 6:00起床〜7:30出発〜8:00尾根岩Ⅲ峰〜11:00続々おじさん岩〜12:00ダンボ岩〜15:00撤退

4日目の朝も快晴だ。この日も隊を二つに分けての行動だった。中島、真道、田中隊は尾根岩Ⅲ峰「南陵神奈川ルート(5.8)」に向かった。到着次第、登攀を開始する。1ピッチ目はルート右側にあるクラックにカムを喰わせてランナーを取りながら登る。高度感のある垂壁だが、ガバが多く登りやすい。フェースを登りきったところの大木に支点を取り、1ピッチ目を終える。2ピッチ目は岩峰左側面へと回り登っていく。取り付き始めのフレーク部分に苦戦しリタイア。懸垂下降して取り付き点まで戻り尾根岩Ⅲ峰を後にした。中島隊は小野隊と合流し、水晶スラブのやや下にあったスラブを登ることにした。1年のリードの練習ということで、まずは田中が危なげなく登る。次に小池。前半のやや勾配のある部分に苦戦はしたが、後半はコツを掴み登り切る。今回の山行最後に向かったのはダンボ岩。「象の牙(5.10b)」を一同全員で登るが、終了点直前の箇所を攻略できず全員敗退。次回の訪れた時の課題とすることにして小川山を後にした。

「象の牙」中島

総括:

今回は1、2年にとっては初めての小川山での山行であり、完登できなかったルートが多々あっただけに、収穫の多い山行となった。特にハング、クラックのクライミング技術、リードとしての登攀は経験不足が露呈した。11月頭に再訪の予定がある。そこまでに成長を遂げて完登できるようにトレーニングに励みたい。