5/16-5/18 鹿島槍東尾根(敗退)

1.対象:北アルプス 鹿島槍ヶ岳

2.期間:2019年5月16日~18日

3.メンバー:中島(4年)、浅川(4年)、小野(3年)

4.概要:今年の残雪期合宿(GWを利用した合宿)はブナ立て尾根から下山したが、その時には鹿島槍東尾根にはまだ厳冬期並みに雪がたっぷり付いていた。あと2週間は大丈夫だろう。そう思い、兼ねてより心の片隅で温めていた本計画を実行した。しかし、5月の融雪のスピードは我々の予想をはるかに上回っていた…。

5月16日

普段は週末山行でもガッシャーを膨らませてしまう我々だが、今回は違う。登攀に備えて装備の軽量化を図り、雨蓋を載せたときにブラックホールの部分(早大山岳部用語でガッシャー袋の口を閉める黒い部分)が見えないくらいまでに抑えた。バスタ新宿でバスに乗り込み、信濃大町へ向かった。

5月17日

曇りのち晴れ

朝4時半にタクシーで大谷原へ向かう。5時半に大谷原を出発。起床時には曇っていたが、日の出くらいから一気に晴れる。赤岩尾根へ向かう登山道の途中から東尾根に乗り込んでいく踏み跡があるらしいので探すが見つからず、結局尾根末端から数えて2つ目のコルから乗り込むことにした。暫く尾根沿いに歩くと赤テープを発見し安心。ここから1750m付近までは本格的な藪漕ぎ&木登りが続く。この辺りで雪が少ないと気付き、敗退も視野に入れるべきだったが、3人とも一ノ沢の頭より先はまだ雪があると信じて進む。1750m付近からは雪が出始めるが、尾根の両サイドに雪が張り付いているだけだった。この辺りは基本的にクライマーズライト側を通過。途中ブロックが崩壊し、中島の上に降ってきたが運よく雪と尾根の境目に落ち停止、怪我もなかった。以降怪しい雪は絶対に踏まないよう注意。11時半頃、一ノ沢の頭に到着し、見晴らしの良さに爽快感を覚える。休憩がてら先の様子を偵察するが、以降雪が殆どないという現実を目の当たりにする。二ノ沢の頭まで続く尾根には今にもブロック雪崩を起こしそうな薄い雪が乗っかっているだけ、その先もそのような感じに見えた。これ以上先に進むのは危険と判断し、敗退を決めた。日差しが強くすでに雪が緩んでいるため、とりあえず本日はここでキャンプすることにした。東尾根の見晴らし一等地でラーメンを作ったり昼寝したりしてのんびりと午後を過ごした。

一ノ沢の頭から鹿島槍を望む

5月18日

曇りのち晴れ

5時出発。雪は前日よりは固まっていたが、期待していたほどではなかった。同ルート下降を開始。日の出から急激に雪が緩み始める。雪のないところまではとりあえず気が抜けない。左側は急な斜面であり、スパッツを枝に引っ掛けて転落でもしたら終わりだ。1750mまで緊張した下りが続いた。その後、昨日苦しめられた藪に最後まで苦しめられた。大谷原には9時頃到着。電波(ドコモ)がぎりぎり入るためタクシーを呼び、信濃大町に帰還した。来年はもっと早く来よう。