2018年度夏山合宿

1.期間:2018年8月6日~8月17日

2.対象:新穂高温泉~室堂~(黒部アルペンルート)~青木湖~猿倉~親不知

3.メンバー:中島(CL)、浅川(SL)、小野(2年)、江口(1年)、真道(1年)、田代(1年)

4.概要:

○8月6日 18:00部室集合~21:45部室出発~22:30竹橋、毎日新聞社前バス出発

・忘れ物もなく、パッキングを早々に済ませる。早稲田通りの「どんぴしゃり」で腹ごしらえをし、翌日の朝食を買い、学校を出発。台風の影響でバスが運行するか心配だったが、予定通り動いた。初日から雨の予報であったので、少し重い気分でバスに乗り込む。

○8月7日 6:00新穂高温泉到着~6:45出発~9:05秩父沢~11:15鏡平~14:00双六小屋幕営~18:30就寝

◇24℃、曇り時々晴れ

・幸運なことにバスが予定より20分程早く到着した。雲は厚そうであるものの雨は降っておらず、気分が盛り上がる。各自朝食をとり、パッキングを済ませる。一年生は何も言わずとも設定した時間通りに出発できるようになった。行動用の飲料水は登山口付近のトイレで汲めた。高度を上げる程天気が良くなっていき調子も上がっていくが、秩父沢を過ぎたあたりから田代の脚が攣り始めた。夜行バスではあまり寝られなかったという。暫く様子見をしたが、鏡平小屋からの登りでペースが著しく落ちたので荷物を少々抜いた。稜線に上がった後は双六小屋まで魂を飛ばして歩いた。

○8月8日 2:30起床~4:00出発~5:00硫黄乗越~6:50千丈沢乗越~8:00槍の肩~8:50山頂~10:05千丈沢乗越~12:30帰幕~19:30就寝

◇10℃、曇り時々晴れのち雨

・朝はガスっていたが、日の出頃から晴れ間が見えるようになった。硫黄乗越からハーネスを装着したが、千丈沢乗越までは特に危険個所はなく付けるのが早すぎたと感じた。途中の岩場では一年生に足への注意を促しながら通過。アタック装備だけあってペースは早く、あっというまに槍の肩に到着。ヘルメットをかぶり槍の穂先を登るが、途中で江口の掴んだ直径60センチ程の大岩が崩れる。江口はバランスを崩し転倒するが足元の岩につかまりなんとか落下を回避する。この時左膝を痛める。

天空へと足を踏み入れた真道。はじけそうな笑顔である。
GoProを使うと槍ヶ岳の山頂の狭さがよくわかる。

○8月9日 3:00起床~4:25出発~5:10双六岳~6:30三俣蓮華岳~8:00黒部五郎小屋幕営~9:30黒部五郎岳組出発~(カールルート)~11:00山頂~(稜線ルート)~12:50帰幕~19:30就寝

◇12℃、曇りのち晴れのち曇り

・双六岳までは完全にガスに包まれながら歩いたが、今日も日の出後しばらくしてガスが晴れた。三俣蓮華岳までの稜線で槍の穂先が見え始めた。

快晴の三俣蓮華岳山頂。昨日山頂に立った槍ヶ岳もよく見える。

ここで江口のペースが落ち、江口が膝を痛めていることが発覚。黒部五郎小屋までの下りではかなりペースが落ちていた。江口の膝の様子見と休息のため、薬師峠までの行程を分割することにした。明日明後日の台風の影響も少ないという見込みから今日は黒部五郎小屋で幕営することに決定。折角の晴天なので、中島、小野、真道で黒部五郎岳までの偵察を行うことに。行きはカールルート、帰りは稜線ルート。カールルートには手ごろなボルダーが多く見つかった。稜線ルートは一部薬師岳~北薬師岳のような岩のルートがあり、一年生を連れて全装で歩くには少し危険だと感じた。

○8月10日 3:30起床~5:00出発~6:40肩~6:50黒部五郎岳~9:00中俣乗越~10:00北ノ俣岳~11:00薬師峠幕営~18:30就寝

◇曇り

・江口は膝の調子は大丈夫だというのでこのまま進むことにした。中俣乗越からは晴れ間が広がり、雲平や薬師岳まで見通すことが出来た。赤木岳は登山道上になく、ザックを置くスペースもなかったので通過。北ノ俣岳直下では人がいなかったので山頂まで競争。午前中に薬師峠に着き各自のびのびと休息。

○8月11日 2:30起床~4:00出発~5:20薬師岳山荘~6:10薬師岳~7:10北薬師岳~9:10スゴ乗越小屋~10:45 2431ピーク~12:30越中沢岳~14:25鳶岳~15:00五色ヶ原山荘幕営~19:30就寝

◇12℃、雨のち晴れ

・今日も曇りの中出発。薬師岳山荘の辺りから霧雨になり、高度を上げると風も若干強くなってきたので薬師岳手前で雨具を着る。天候は変わらず、北薬師岳までは慎重に進む。スゴ乗越小屋まで下ると天候が回復し始める。

黒部五郎岳の山頂に到着するも、ガスで何も見えない。残念無念である。

入山前に心配されたスゴ乗越付近の登山道のや台風の被害もなく、よいペースで通過。越中沢岳手前で再び競争。鳶岳からは美しい五色ヶ原が見え、残りの道のりを楽しんだ。長い一日だったが、コースタイムよりも短く進めた。一年生も特段疲れている様子はなかった。

そばを一度に茹でようとしたことを心の底から後悔した。しかしもうどうすることもできない。食うしかないのである。

○8月12日 3:30起床~5:00出発~6:40獅子岳~8:30一の越~9:30室堂BT~(黒部アルペンルート)(信濃大町で買い出し)~19:00青木湖キャンプ場

◇13℃、曇りのち晴れ

・ハシゴ谷乗越を通過する予定の日は荒天であるとの予報だったため、東一の越経由で黒部ダムに下りるつもりでいたが、小屋の方によると道の整備が済んでおらず迷いやすいとのことだった。立山三山を縦走し、晴れていれば別山乗越から一年生に剱岳を見せる方が有意義だろうということで、室堂側に下りることにした。獅子岳手前で江口のペースが落ちる。岩場が続くこと、下りを苦手そうにしていたことから安全性を考慮し荷物を少々抜く。鬼岳東面の残雪はルート上にはなく、アイゼンピッケルは必要なかった。ペースは問題なかったが稜線は風が強く、江口の岩場の下りが不安だったため立山三山には行かずそのまま室堂に下った。室堂BTにザックを置き、みくりが池温泉で体を清めた。その後黒部アルペンルートで信濃大町まで移動し、デリシアで買い出しを済ませる。結局青木湖キャンプ場に着いたのは19時頃であったが、テント場がもう埋まっているということだったので同じ料金でバンガローを借りた。

○8月13日 終日休養

◇曇り

・各自心身を休めた。10時過ぎ頃、鈴木健斗OBがキャンプ場まで激励にいらっしゃった。夜はしゃぶしゃぶで翌日のための気力をためた。

臭いのおかしいエビをむしゃむしゃと喰らう小野と真道。

○8月14日 5:00起床~5:45出発~7:45猿倉出発~8:30白馬尻小屋~11:00葱平~12:30村営宿舎幕営~19:30就寝

◇15℃、曇りのち雨

・各自朝食を済ませ白馬駅へ移動。タクシーにザックを詰め込み40分弱で猿倉に到着。3700円程。猿倉から白馬尻小屋までは45分程で到着。そこから20分程で雪渓に到着。久しぶりにアイゼンを履くため、雪渓の入り口付近で練習を30分程行った。その後は順調に高度を上げ、葱平でアイゼンを脱ぐ。それより上は秋道が出ていた。村営宿舎直下でも競争。テントを張ったのちに雨が降り始めた。

○8月15日 3:00起床~4:40出発~5:00白馬岳~5:40三国境~7:20雪倉岳~10:15朝日平幕営~19:30就寝

◇12度、晴れのち曇り

・出発の準備に手間取り10分遅れる。今合宿一晴れた朝であった。白馬岳山頂で日の出を拝み、清々しい気分で三国境へ下る。負荷が足りないということで雪倉岳までの登りで一年生に気合を入れる。朝日平までの水平道は整備中であり、滑りやすい植物の根を踏みながら通過する部分もあり注意が必要であった。今日も午前様。

○8月16日 3:00起床~4:26出発~510朝日岳~6:30アヤメ平~8:50さわがに山~12:00栂海小屋~1700就寝

◇11℃、曇りのち雨

・テントから出るとガスっていたが、下界の富山の町の光を見ることが出来た。朝日岳に到着するが風が強く、早々に山頂を後にする。曇っており何も見えないので振り返ることなくどんどん高度を落としていく。9:30頃に栂海小屋の水場に到着し、水を汲む。水場の水量が少なく、水袋4つを満たすのに時間がかなりかかった。時間に余裕もあってのんびり水を汲んでいると突然豪雨に襲われ、一年生がびしょぬれになってしまった。真道と田代が寒さを訴えるので、各自一杯になった水袋を持ち、上級生とペアで先に小屋まで移動。最後のペアは12時に小屋着。明日は雨がやんでいることを祈り就寝。

○8月17日 1:00一時起床~4:00起床~5:30出発~8:50白鳥山~10:30坂田峠~11:55入道山~13:00親不知

◇15℃、雨のち晴れ

・涼しい間に下山するため2時に出発する予定で1時に起床したが、まだ土砂降りだった。一先ず日の出を待つことにして二度寝。4時に起床。5時に出発する予定だったが、一年生が炊事パッキングに手間取り30分遅れる。白鳥山までは雨が降ったりやんだりが続いたが、森の傘のおかげで濡れが最小限で済んだ。白鳥山手前辺りで江口のペースが大きく遅れ始める。膝がまた痛むというので、金時坂の急降下に備え荷物を抜く。寒冷前線通過のためか、気温がそれほど上がらなかったのが救いだった。坂田峠からは親不知まで魂を飛ばして歩いた。親不知観光ホテルで温泉に入れていただき、下界モードに。ホテルから親不知駅まではタクシーで10分弱。1700円程。お疲れ様でした。

山行完遂の喜びを抑えきれない真道。
砕ける波の音が我々に合宿の終了を知らせる。