8/16 小川山クライミング山行
1. 対象:小川山 妹岩エリア
2. 日程:2020年8月16日
3. 参加メンバー:CL小野(4年)、真道(3年)、小池(2年)、橋本コーチ
4. 概要:前夜東京発〜8:00 小川山着〜9:00妹岩〜17:00撤収
今年の夏は異様に暑い。岩が熱い。岩に触れば手の肉が焼ける。溶ける。しかし、我々のクライミング欲は燃え滾って止まない。ならばと、日帰りではあるが涼を求めてクライミングの聖地へと向かうことを決めた。
出発は前夜。橋本コーチが車を出してくださるということで、都内某駅に集合し拾ってもらう。よろしくお願いします。
橋本コーチの卓越したドライビングテクニックにより車内は終始快適でありました。ステビバが当たり前の現役部員一同はおかげさまでこれ以上ない安眠を享受。気付けばあたりは朝を迎え、車窓には川上村のマウンテンビューとレタス畑が広がっていた。なんという贅沢であリましょうか。橋本コーチ本当にありがとうございます。
廻り目平キャンプ場の駐車場に到着。やはり皆考えることは同じか。聖地に駆けつけたクライミング狂信者たちの車で駐車場はごった返していた。いや〜密です。
早速身支度をする。真道は装備に宅建のテキストを加える。待機時間や隙間時間に勉強するためだ。意識が高い。感心である。他の部員からはバカにされるが、橋本コーチ曰く、クライマーには勤勉家が多く、橋本さんのご友人も医学書片手に岩場へ行く人がいるそうで珍しいことではないらしい。それを聞いて、小野もすかさず車内から無線通信士の参考書を取り出しザックに入れた。
妹岩に着くと、橋本コーチの知人の方を含めすでに数パーティーがルートに取り付いていた。
今回の山行の目的の一つに、ナチュラルプロテクション技術の習得を掲げていたので、橋本さんのオススメで、まずはクラックルート入門の愛情物語5.8を登ることにした。
取り付く前に、クラックを登る際のテーピングの巻き方とカムデバイスの使い方についてコーチにご指導頂いた。
テーピングの仕方は①まず、手の甲全体に横断するようにテープを貼り、②次に、細めのテープを手の甲側の手首付近から手のひら側の指の付け根へと回し折り返して手首まで戻し貼るというのを各指に施したら、③最後は②のテープの末端を抑えるように手首に一周テープを巻きつける、という感じだ。片手分だけでも結構な量のテープを消費する。
続いてカムのセットの仕方。基本的にクラックの平行な部分にセットする。上下はもちろんだが、手前から奥にかけても2次元で平行である必要がある。フレアしているところに決めると、ロープが動くたびにカムも動き外れてしまう。これはウォーキング現象というらしい。また、すべての歯が同じ開き具合で岩に接地していることが好ましい。あとは数やって慣れろとのことなので早速実践する。
最初はカムが外れる危険性もあるので、橋本コーチがトップロープをかけてくださり、部員は擬似リードという形で練習をすることにした。
橋本コーチからのフィードバックは以下の通りである。NPはボルトがなくランナウトしがちだがグランドホールを避けるためにランナー間の距離を意識すること、セットしたカムの効き具合が不安であったら近くに積極的に数個セットすること、効き具合のチェック時は万が一抜けた時にフォールしないように片手はしっかりホールドを掴んでおくこと。
擬似リードを終えて、次はTRなしでのリード。3人とも見事レッドポイントしたが、小池がセットしたカムがオーバーカムしてしまい回収できなくなる。現役部員は手元にナッツキーがなかったため、橋本さんのナッツキーをお借りする事態に。ナチュプロのルートを登る際はナッツキーは必携である。
一方、我らが橋本コーチはイエロークラッシュ5.12aをRPで墜とす!👏
一休みしたところで、せっかく小川山の妹岩に来たのでカサブランカ5.10aを登りたい!ということで、「ジャミングなんて階段登るよりも簡単でしょ」でお馴染みの橋本コーチにTRをかけて頂いた。
しかし、ジャミングの覚束無いWAC現役3人は苦戦を強いられる。ハンドクラックの中間地点、ややフレアしている部分が難しい。小野は唯一クラック部分を越えたものの、終了点までたどり着けずリタイア。次来るときにはぜひ再トライしたい。
余談であるが、オリンピック日本代表として日本で最も有名なスポーツクライマーの一人、野口啓代選手はジャミングはできないそうだが、ジャミングなしでこのカサブランカをレッドポイントしたらしい🤷♂️。ジャムなしだと一説には5.13とか。信じるか信じないかは君次第だ。
時間もないので最後にカサブランカの左隣のタツノコタロウ5.9にトライ。やや広いクラックをレイバックを使いながら登るNPルートだ。小野がリードで挑戦する。出だしがクラックが若干広くてジャムを決めるのが結構難しく、グランドフォールしそうで怖い。後半はワイドとなるのでレイバックを駆使するがこれもなかなかの怖さ。NPルートのリードは往々にして恐怖を感じ死を意識し絶望する。しかし、さすがは最上級生。意地のトップアウト。トップロープをかけ、他二人もトライする。安心安全ののトップロープクオリティーで小池も真道も満面の笑みでジャミングをキメる。
全員登り終えたところで時刻は5時を回っていた。長居してしまった。手早く撤収作業に取り掛かる。小川山とはしばしのお別れになりそうだ。次来るときにはもう少し強くなっていたい。ひとまず聖地に感謝。アディオス。
追記:帰りに橋本さんに焼肉をご馳走になりました。本当にありがとうございます。このご厚意はぜひとも強くなって結果で返したい。そのためにもまずはこの上質な肉を食らい強靭な肉体を獲得せねば。いただきます!!
文責:真道
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